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2025年05月19日22:30

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「太陽(ティダ)の運命」感想

 これはTBSプロデューサーの佐古忠彦が、「米軍が最も恐れた男」2部作、「生きろ 島田叡―戦中最後の沖縄県知事」に続き、沖縄現代史に切り込んだドキュメンタリー。
 戦後の沖縄・基地問題を、共に沖縄県知事を務めた大田昌秀と翁長雄志に焦点を当てて描くものとなる。
 フォト
 政治的立場は正反対ながら、共に国と激しく対峙した二人の沖縄県知事がいた。本土復帰後、第4代知事の大田昌秀、そして第7代知事の翁長雄志である。
 大田は、軍用地強制使用の代理署名を拒否。一方の翁長は、辺野古埋め立て承認を取り消し。それぞれ国と法廷で争い、この国の民主主義や地方自治のあり方と矛盾を浮き彫りにした。二人は知事として何を目指し、何と闘い、何に挫折し、何を成したのか――

 これは大変見応えのあるドキュメンタリーだ。
 米軍に徴用された土地の返還を日本政府に求め、その第一手としての普天間返還を、当時の橋本龍太郎総理にかけあい、妥協しながらその道を探った大田知事。
 その大田を、自民党の切り込み隊長として知事の椅子から引きずり下ろしたのが翁長雄志なのだ。
 だが、翁長は、自民党内部で日本国における沖縄の立場を知るにつれ、自民党から距離を取り、大田と同調し始める、と言う劇的な変化を見せるようになる。
 そんな心変わりをさせたのは、自民党議員のこんな言葉だと言う。議員は、安全保障を進めるなら日本一丸となるべきだと言う翁長に、
 「(日本人は戦争も基地も望まない)本土が嫌だ、と言うのだ。沖縄が引き受けるのが道理だ」と。
 これに、翁長は言葉を失い、自民党に絶望した、と言う……だが、大田は、仇敵の翁長を許さず、生涯会う事はなかった……と言う展開など、ドラマチックな面白さもある。
 その翁長が辺野古基地建設に反対、埋め立て承認を取り消すなど、政府と対立していく中で、大田元知事が「翁長くんはよくやっている」と語ったと言うのは感動のエピソードだし、上京し、基地反対デモに参加した翁長に、人々が「売国奴」、「中韓の手先」と罵声を浴びせた、と言う事実にも考えさせられる、

 翁長が知事就任に当たり、周囲に漏らしたと言う言葉には重みがある。
 「辺野古基地建設は阻止出来ないだろう。国は……いや、自民党はあらゆる手を使って沖縄をつぶしにかかる。(それは自分がやって来たから判る)
  だから、日本に、いや世界に、平和を望む沖縄の民意が踏みつぶされる様を見せてやる」
 これはすごい、こんな思いを抱いて首長になる人間がいるのか――それにしても、ここまで言うか、そして、ここまで撮るか。

 翁長にはある思いがあった、と言う、それは、
 「沖縄は日本のカナリアだ。危機が迫った時、真っ先に死に、そして見捨てられる。だが、日本国民に言いたい『次はあなたの番だ』と」
 そう、これは沖縄だけの問題ではない。この国の民主主義についての危機感を訴える、国民の誰もが考えるべき問題なのだ。
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