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2024年04月18日04:14

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イランもつらいね、やらざるを得なかった対イスラエル報復攻撃の「お気の毒」

 声高に報復を叫んでいたイランの13日夜に決行された対イスラエル攻撃は、実に間の抜けた「報復」だった。

◎300発以上の攻撃も99%は撃ち落とされた
 1000キロ以上もの距離のあるイスラエルに向かい、ドローンとミサイルを組み合わせた攻撃だから、イスラエルが迎撃態勢を整えるのに十分で、したがって300発以上発射されたドローンとミサイルの「99%は迎撃した」というイスラエル軍の余裕の発表となった。イスラエル空軍基地にも市街地にもほとんど被害はなく(写真=イスラエルのミサイル迎撃システムが作動したアシュケロン市街地上空)、わずかに落下した破片で女児が1人、負傷しただけだった。
 しかも、イラン政府によると、アメリカやイスラエル周辺国に72時間前に攻撃を通知したという。
 どう考えても、本気でイスラエルに痛撃を与えるつもりはなかった。ただポーズだけ、という感じだ。

◎できればしたくないが、国内向けには「報復」の格好はつけないと
 イランにすれば、本格的にイスラエルを大規模攻撃すれば、イスラエルから核兵器を含む反撃を覚悟しなければならない。アメリカの参戦も予想される。
 もうそうなれば、年率40%の常習インフレがさらにハイパー化し、経済は破綻するし、イスラム体制に深刻な日々が入る。国内には、自由も経済的豊かさも無い現イスラム体制への不満は充満している。
 だからイラン政府は、こけおどしの「対イスラエル報復」をしなければならなかった。
 何もしなければ、国内のイスラム原理主義に忠実な一部国民と革命防衛隊強硬派、さらに最高指導者ハメネイから非難を浴びる。
 ライシらイラン政府首脳には、こうするしか手が無かった。

◎昨年12月にも革命防衛隊上級司令官が空爆殺害されているイラン
 ただイランにすれば、イスラエルの行為は腹に据えかねるものだったろう。
 事の始まりは、4月1日の友好国の隣国シリア、ダマスカスにある大使館がイスラエル空軍に奇襲され、革命防衛隊「コッズ部隊」の上級司令官モハンマド・レザ・ザヘディを含む軍事顧問7人ほかを殺害されたのだ(下の写真の上=破壊された駐ダマスカスのイラン大使館;下の写真の上=死亡したザヘディ)。
 それでなくとも昨年12月に、同じシリア国内でイラン革命防衛隊の上級司令官セイエド・ラジ・ムサヴィがイスラエルによる空爆で殺害されている。
 ザヘディもムサヴィも、正確に居所を突き止められ、空爆殺害された。昨年10月のハマスの奇襲攻撃を予知できなかったが、モサドの情報網は恐るべし、である。
 イランの革命防衛隊はシリアなどに派遣される時は、命を失うことを覚悟しなければならないだろう。

◎初めてのイラン本土からのイスラエル直接攻撃
 ただ今回のザヘディらの殺害が、昨年12月のムサヴィ殺害と決定的に異なるのは、ウィーン条約で不可侵とされている在ダマスカスの大使館が空爆されたからだ(上掲写真)。大使館への攻撃は、イラン本土への攻撃に等しい。
 だからこそイランは、レバノンのヒズボラやシリアのシーア派民兵などを使っての間接的報復ではなく、イラン本土からの初めてのイスラエル直接攻撃に訴えたのだ。
 となると、いまだ実施されないが、イスラエルによる報復攻撃は、イラン本土への何らかの攻撃になる可能性がある。
 国際原油価格が騰がり、有事のドルが買われるのは、イランの再々報復などで原油の通り道であるホルムズ海峡が閉鎖されるリスク(あまり大きくはないが)を織り込んだものだ。

◎ヨルダンが迎撃に参加
 もう1つ、今回のイランの対イスラエル報復攻撃で注目されたのは、アラブ国家であるヨルダンが、イランミサイルの迎撃に加わったことだ。
 ヨルダン国内には、パレスチナ難民が多数住む。ヨルダン軍と政府は、パレスチナ難民の反発を覚悟の上で、イランの攻撃に賛成しないという意思を示したことになる。
 イランが、同じイスラム国家ながらアラブ諸国からいかに嫌われているかが如実に示された。
 イスラエルの「報復に対する報復」がどの規模で実施されるかによるが、この騒ぎはそう大きくならないうちに収束するのではないか。
 イスラエルにすれば、ほとんど実害の無かったイランの報復攻撃で、世界の目がガザから一時とはいえそらされたのはプラスだった。こんな攻撃ならいつでもウエルカムだ、と余裕に違いない。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「スターリニスト中国、台湾侵攻したら――アメリカの机上演習結果は日米に大きな損害出るもほぼ失敗」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202304180000/

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