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2024年04月17日02:33

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「人新世」認められず、地質時代区分としては短すぎるなどの批判

 人類活動が地球環境に大きな影響を与える「人新世」は、このほど国際地質科学連合(IUGC)で正式に否決された。

◎15年間の議論に終止符
 2009年、IUGC内に人新世について検討する作業部会が設置され、議論を重ね、23年7月に同部会が「1950年頃以降を『人新世』の新しい地質時代とすべきだ」と決定してから(23年7月13日付日記:「人類が地球を変質させた新しい時代『人新世』が決まる、指標地にカナダのクロフォード湖堆積物」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202307130000/を参照;写真=クロフォード湖)、上部機関のIUGC小委員会でこの提案が今年3月に否決され、IUGCも正式に決定した。
 2000年頃に、オゾンホールの研究でノーベル化学賞を受賞した、オランダの地球化学者の故パウル・クルッツェン博士(写真)が人類活動が地球環境に大きな変動を与えていることから「人新世」を提唱して以来、一部の研究者から手回し良く使われるようになり、またIUGCも15年間の議論を重ねた末、議論に終止符が打たれた。
 人新世についてはこれまでの地質編年概念と離れ、また人類の影響を地質学的に地球規模で決めるのは不適当、さらには1950年からと定めるとすれば、これまでの地質時代区分より短い過ぎるなどが批判があった。

◎氷河期の終わりで農耕牧畜が始まり広がった現世=完新世
 地質時代の時代区分は、これまで地球物理学的な現象により、生物相と地層に大きな変化が起こった時を「画期」として定められた。
 我々の暮らす現世は、1万1700年前から始まる「完新世」と呼ばれ、氷河期が終わった時代と認識されている(もっとも天文学的要因によって再び氷河期が訪れるかどうかは分からない)。完新世の始まりを画したのが、ヤンガー・ドリアス期の終わりであり、人類史的には地球の温暖化に伴い農耕牧畜の開始と広がりが大きな特徴となった(シュメール文明期の農耕牧畜の想像図)。
 人新世の創設が認められなかったことにより、完新世が現世として残る。

◎更新世は人類の時代
 それ以前の更新世は、間氷期を挟んだ氷期がほぼ12万年前ごとに地球を襲う氷河時代の地質時代であり、258万年前頃に始まった。人類史的には、後のホモ・エレクトスにつながるホモ属がアフリカで進化し、やがてホモ・サピエンスの出現につながる重要な時代である(写真=東アフリカのサバンナで見つけた羚羊類を解体しようとするホモ・エレクトスのディオラマ。セグロジャッカルと空にはハゲワシが横取りしようとしている)。初期ホモ属は、前期更新世に初めて出アフリカし、アジアとヨーロッパに分布を広げた。
 この完新世と更新世を合わせて「第四紀」と呼ばれる。
 それ以前の533万年前頃から始まる鮮新世は、気候が寒冷化し、北半球で氷床の発達が始まった。人類史的には、この頃に初めて初期猿人が出現し、様々な種が分岐進化を始めた。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202404170000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「日本維新の会は自民党に代わり得る保守新党、待望久しくいよいよ全国区化へ」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202304170000/

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