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2024年04月07日09:31

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SF的な宇宙で安全に暮らすってこと

円城塔

やっぱり難解なのだがいちおうは物語がある。タイムマシンを操る主人公は失踪した父の姿を追いつつ未来の自分を殺すというループにはまり込む。父と母と、自分の物語。また本書は主人公が書かれ読みつつある本ということになっている。ここにも因果のループ。何も解決されない、いわば憂鬱な話。

著者は継時上物語学という概念をこう説明する。「この理論によれば、一定の加速度で時間の中を落下していく人物は、視覚的なもしくは他の文脈上の手がかりがなければ、以下の二つを区別することができない。(1)物語世界の本来的な力による加速。(2)外部物語的な力。」この理論に基づいてタイムマシンは発明されたとされる。なんとなく運動力学から類推して理解したような気になるが、やっぱりわからない。このわからなさが魅力の源泉なんだろう。

kindleのセールでまとめて買った5冊もあと一冊、それでしばらく円城塔はお腹いっぱいということにしよう。
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