建国記念の日

建国記念の日211は日本の初代天皇神武天皇が即位した日とされる。
神武天皇は、天照大神（あまてらすおおみかみ）の孫にあたる瓊瓊杵尊（ににぎのみこと）の3代目にあたり、当初今の宮崎県周辺に暮らしていたが、東方を目指し大和の地に到着。そこで橿原宮（かしはらぐう）を建て初代天皇に就いたといわれている。それが「辛酉年春正月庚辰朔」。つまり、旧暦の紀元前660年1月1日。その即位日を明治になって新暦で換算したところ、2月11日になったとのこと。これらの話は「古事記」と「日本書紀」に書かれているいわゆる神話であって史実とは限らない。

「建国記念の日」が制定されたのは戦後で、211は明治6年から昭和23年まで（GHQによって廃止されるまで）は「紀元節」と呼ばれる祝祭日だった。

では日本の《紀元》はどうやって作られたのか？

封建時代は天皇即位だけでなく、疫病の流行や天変地異などで細かく改元が行なわれていたが、幕末の欧州留学生たちが、ヨーロッパでは共通の「西暦」（キリスト教暦）を使っているのを知り「紀元を持つことが文明国のあかし」と勘違いし欧米への対抗意識から、明治の初めに晴天の霹靂のように制定されたのが日本の《紀元》とのこと。

周知のように、戦前の公式史観では、1940年（昭和15年）が、神話上の神武創業から数えて紀元二千六百年と想定された。
この年運転を開始した旧日本海軍のエース戦闘機が「ゼロ戦」（「零式艦上戦闘機」の略称）と呼ばれたのはあまりにも有名である。
この「紀元」とは神武天皇の即位「紀元」なので、この「紀元」なるものが悠久の昔から存在するように思われがちだが、そうではない。「紀元」という発想は、幕末の欧州留学生として、西周（1829-1897）とともにオランダでフィッセリング教授（Simon Vissering, 1818-1888）に学んだ法学者・津田真道（1829-1903）の建議によるものなのである。
ライデン大学で学ぶ間、津田は、ヨーロッパではキリスト教「紀元」という共通の歴法が普及していることを知り、それまで天皇即位や戦乱または天変地異のたびに細かく変わっていた日本の元号にとって替わる独自の「紀元」を着想した。日本の「紀元」は、西暦より数百年長く、また封建時代の文化大国であった中国の歴史より少ないという点が肝要なのである。
津田は、福沢諭吉や森有礼（1847-1889）らと明六社を結成した開明的な啓蒙思想家であった。しかし、大正年間に刊行された小谷部全一郎の『成吉思汗ハ源義経』にさえ杉浦重剛（1855-1924）による漢文序がつくぐらいで、明治初期には、まだ四書五経の儒学教育を受けてきた旧士族階級が大きな力を持っており、彼らが中国の学問を尊重してきたことを無視するわけにはいかなかった。だからといって、日本人を差別する欧米人の後塵を拝するのも面白くなかった。西暦より数百年長い日本独自の《紀元》とは、逆立ちしても欧米諸国に太刀打ちできなかった時期の日本と西洋との競合意識と、孔子の国の歴史よりは長くないという旧勢力への配慮から生み出された、絶妙な折衷案なのである。

へぇ〜〜？そんなもんなのね（笑）
まぁいまどき建国記念の日がなんたるか誰も興味もない、連休や国民の休日が１つでも多いほうがいいくらいにしか思ってない。
明治大正昭和平成令和‥平成５年生まれの息子は令和6年（2024）の今はいくつになるの？？もうわかんない。日本の元号と西暦のW表記をもう止めたらって思う。

2/6小澤征爾が亡くなった。88歳。世界のオザワ。カラヤンとバーンスタインに師事し、世界的指揮者になった初めての日本人。世界のオザワになったきっかけがN響との不和事件がきっかけだったとは初めて知った。彼の父小澤開作は、満州国の奉天で歯科医をしていた。満洲事変当時、満洲在住の日本人として「五族協和」の実現のために奮闘し、さらに日中戦争期には「日中友好」実現のためにすべてを懸けて活動した人物であった。
長男は彫刻家の小澤克己氏、次男は口承文芸学者の小澤俊夫氏、指揮者の小澤征爾は三男。四男は俳優でエッセイストの小澤幹雄氏。

山田洋次も満州からの引き揚げ組。生まれたのは豊中だが満鉄の社員だった父親の赴任で幼少期満州へ渡った。赤塚不二夫も満州から命からがら引き上げてきた。彼の座右の名「これでいいのだ」は、中国大陸の「没法子（メイファーズ）」思想に置き換えられるという。※没法子とはしかたがないという意
ちばてつやも満州の奉天で終戦を迎えた。故・安部公房も加藤登紀子も大陸から引き揚げてきた。自らを「デラシネ」という五木寛之は朝鮮半島からの引き上げ組。

幼少期大陸で終戦を迎え、苦難の末日本へ引き上げてきた彼らのその後の生き方、表現者としての思想には共通点を見出すことができる。