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2024年02月04日10:18

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時間的無限大

スティーブン・バクスター

「進んだ文明が物理法則に反することなく空間にワームホールを作り出すことができ、それを維持して星間旅行に用いることができるとしよう。すると、そのワームホールは因果律を破るタイムマシンに転換されうるのである」という作品。ハードSFではあるんだけれど物理理論SFと呼びたい。理解は難しい。理論から導かれる極限の世界の奇妙な現象は読み物として楽しむことはできるが数学的背景を理解しているわけではないし。シュレディンガーの猫の話ならまだわかる。それを後退させたウィグナーの友人の話もまだ類推できる。波動関数の崩壊(あるいは収縮)、意識が観測することで確定するときては。最初に読んだときはわからなくって根を上げたのを思い出した。

複雑にしているのは理論物理だけではなかった。時間線が三つあって登場人物が往復する。今はいつなんだ。ページから意識が逸れると見失なってしまう。途中まで読んで、物理学者の書いた解説を読んで、さらに最初から読み直して、どうにかストーリーは理解できたと思う。

主人公は最後に熱的死を迎えた宇宙に辿り着く。そこで超知性体(?)の働きによって意識体となる。2001年宇宙の旅のようだ。続編ではその後も描かれているということだが読んでいない。もう一つ「フラックス」という文庫を読んで見切りをつけたのではなかろうか。さっぱりわからんと。
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