三浦友理枝によるフィリアホールでのドビュッシーのピアノ独奏曲全曲演奏会第3回。
今回はメインともいえる前奏曲集全曲。
三浦友理枝:ピアノ
01.前奏曲集第1巻
1.デルフィの舞姫
2.帆
3.野を渡る風
4.音と香りは夕暮れの大気にただよう
5.アナカプリの丘
6.雪の上の足跡
7.西風の見たもの
8.亜麻色の髪の乙女
9.とだえたセレナード
10.沈める寺
11.パックの踊り
12.ミンストレル
<休憩>
02.前奏曲集第2巻
1.霧
2.枯葉
3.ヴィーノの門
4.妖精は良い踊り子
5.ヒースの茂る荒野
6.風変りなラヴィーヌ将軍
7.月の光の降り注ぐ謁見のテラス
8.オンディーヌ(水の精)
9.ピクウィック卿を讃えて
10.カノープ
11.交代する三度
12.花火
12曲ずつ2巻の前奏曲集で合わせて24曲になる。
ただ、バッハやショパン、あるいはショスタコーヴィチのように24全ての調で書かれているわけではない。
というより、すでに調性の呪縛から解放された音楽である。
当時ではかなり前衛だったのだろう。
全曲弾くのは至難の技であろう。
すでに技巧に関する不安は全く無く、磨き抜かれた音色のヴァリエーションも豊富。
ドビュッシーを弾くに相応しいピアニストなのだが、今回は「ドビュッシーはこう弾かれることを望んでいたはず」という確信に溢れた演奏だった。
それゆえに説得力がある。
硬質な音色はそのままに、いくらか柔らかさが加味されたように思う。
まだまだポテンシャルは底を見せていないということだろう。
稀代の名曲を才気煥発な演奏で聴く。
至福の時だった。
終演後のやり切ったというような笑顔が印象的だった。
疲労感さえ心地よかったことだろう。
次回はいよいよ最終回。
超難曲の練習曲が中心となる。
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