風のない部屋の隅っこで
花びらが群がって死んでいる
まるで昭和の大東亜戦争のワンシーンのように
無言の遺体達が折り重なる
白い部屋は、建てられてから
すでに何十年も経っているのに
まるで、出来立てのような美しさで
1ミリの汚れも受け入れない
部屋の隅で折り重なる花びら達は
時間が経つとともに、水分が失われて行く
失われた水分が、白い部屋の白色になるように
花びら達は茶色に変色していく
しかし、白い部屋は、それすらも許さない
何百年経とうが、白い部屋は
出来立ての白さでいなければならないから
水分がなくなってしまった花びら達は
萎れていく事すら認められないで、
錆びていく事しかできない。
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