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2023年06月17日23:09

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【展覧会】ガウディとサグラダ・ファミリア展(東京国立近代美術館)

スペインのバルセロナを初めて訪れたのは30年前の1994年。サグラダ・ファミリア、聖家族教会は当時まだ学生だった私でも知っていた有名な未完の観光名所で、完成まで100年以上かかるのではないかと言われていた。確かに、完成にはほど遠いように感じられた。おまけに、グロテスクで気味が悪い。塔の上から街を見下ろすと、地面に吸い込まれそうな気がして怖かった。
それから6年後の2001年、再びバルセロナを訪れる機会を得た。サグラダ・ファミリアは驚くほど工事が進んでいた。建築技術の進歩もあるだろう。100年もかからずに完成するのではないかと思えた。
そして2023年、美術館でサグラダ・ファミリアの工事の進捗具合を見ることができた。私が生きている間に完成するかどうかは分からないが、完成が確実に近づいている様子を見ることができて嬉しかった。

展覧会は技術的な展示も多く、建築の知識を全く持ち合わせていない私には難解極まりない。そんな中で、ガウディは天才というよりは努力の人というか、かなり愚直に物事に向き合っていたことを知れたのは大きな収穫だった。
今回の展覧会の一番の目玉は、日本人彫刻家・外尾悦郎が作成し、実際に2000年までサグラダ・ファミリアに設置されていた「降誕の正面:歌う天使たち」だろう。私が初めてサグラダ・ファミリアを訪れたときに撮った写真の1枚がまさにこの彫刻だった。デコラティブな装飾に埋もれていた感があったが、彫刻だけを間近で見るととても大きい。この彫刻群が30年前にも私を見ていたのかと思うと、不思議な気持ちがする。

展覧会の終盤にサグラダ・ファミリアを映像で紹介するコーナーがある。そこで映像を見ているうちに、ふいに涙が出そうになった。
そうだ、思い出した。
2回目にサグラダ・ファミリアを訪れたときも、「相変わらず気持ち悪い建物だな・・・」と思いながらグロテスクな壁面を見上げて、突然涙が出てきたのだった。

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