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2023年06月15日08:21

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【展覧会】ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開(アーティゾン美術館)

展示点数260点超。閉館まで1時間半。20世紀半ばまでの西洋モノに限定して鑑賞すれば何とか間に合うだろう。いざ、展示室へ!

Section1 抽象芸術の源泉
印象派とその周辺の6人の画家の作品が展示されるが、「抽象芸術の源泉」という視点で見るならば、ポール・セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」、クロード・モネ「黄昏、ヴェネツィア」の、20世紀に制作された2点だけでも十分なのではないかとも思う。

Section2 フォーヴィスムとキュビスム
フォーヴィスムはマティス、ドラン、ヴラマンク、デュフィ。キュビスムはピカソ、ブラックなど。これらの作品は当時は斬新すぎただろうけれど、今の時代に鑑賞すると具象画の範疇だと感じる。

Section3 抽象画の覚醒
青騎士、バウハウス、デ・ステイルなど、私好みの作品が多く並ぶセクション。ワシリー・カンディンスキーの「3本の菩提樹」(1908年)のような作風が「『E.R.キャンベルのための壁画No.4』の習作」(1914年)のような作風に変遷するのに、どれほどの試行錯誤があったのだろうか。

Section4 日本における抽象絵画の萌芽と展開
和モノは基本的にはスルーなのだけれど、萬 鉄五郎の「もたれて立つ人」はインパクトあり。

Section5 熱い抽象と抒情的抽象
う〜ん、全部熱く見える・・・。

Section6 トランス・アトランティック−ピエール・マティスとその周辺
ピエール・マティスはアンリ・マティスの次男で、ニューヨークで画商として成功した人物とのこと。デュビュッフェやミロの作品をアメリカに紹介したのもピエール・マティスなのだろう。
そしてモダンアートの中心はフランスからアメリカに移っていく。

Section7 抽象表現主義
ポロックやマーク・ロスコなど。作品はもちろんタイトルも抽象性を帯びてくる。「無題」という作品が複数並ぶので、後で出展リストを見ても区別がつかない。

Section8 戦後日本の抽象絵画の展開(1960年代まで)
このセクションも通り過ぎただけだが、面が強調される作品が多い中で、猪熊弦一郎「都市計画(黄色 No.1)」は線が際立っていた。

Section9 具体美術協会
全然「具体」じゃないよ・・・と思いながら展示室をほぼ素通り。でも、白髪冨士子の和紙を使った作品には心惹かれた。自分で紙を漉くのだろうか。

Section10 瀧口修造と実験工房
シュルレアリスムに興味があるので、日本人アーティストの作品でもこのセクションは見るつもりでいた。しかし、さすがに疲れてきた。さらに、閉館時間が気になり始めて散漫な鑑賞になってしまった。

Section11 巨匠のその後
アンス・アルトゥング、ピエール・スーラージュ、ザオ・ウーキーの最晩年の作品が並ぶが、彼らの絵を集中して鑑賞したことがないので、どう比較していいのかが分からない。

Section12 現代の作家たち
抽象絵画の展覧会なので、抽象作品を制作するアーティストの作品が展示されるのは当然ではあるが、抽象画特有の難解さや哲学が芸術鑑賞の標準になるのはちょっと嫌だな、と思った。このセクションで展示されている作品が上から目線であるとか、難解さをアピールしているというわけではないのだけれど。

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