【バレエ】シェイクスピア・ダブルビル（新国立劇場）

シェイクスピアの有名戯曲をベースにした２作品。悲劇と喜劇の両方を楽しむことができた。
指揮はマーティン・イェーツ、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団。

＜マクベス＞
新国立劇場バレエ団委嘱作品、世界初演。音楽は女性作曲家ジェラルディン・ミュシャ（1917〜2012）のバレエ組曲「マクベス」をベースに、指揮者のイェーツが編曲。現代音楽ではあるのだろうけれど、現代音楽にありがちな不快な不協和音はない。パーカッションの乾いた音が印象的だった。
血みどろで凄惨な作品ではあるが、ダンサーの表現力が実に素晴らしい。ダンカン王を殺害することをものすごくためらうマクベス、狂乱するマクベス夫人、そして、死んでしまって人形のように脱力しているマクベス夫人に必死にすがるマクベス・・・。芝居のようなバレエだった。

振付：ウィル・タケット
マクベス：福岡雄大
マクベス夫人：米沢 唯


＜夏の夜の夢＞
シェイクスピアの喜劇らしいバカげたストーリーではあるが、妖精の世界はバレエにぴったりだとも思う。パックの華やかな跳躍、妖精たちの軽やかな群舞、2組の恋人たちと職人たちのコミカルな動きに目が釘付けになる。ロバになってしまった職人ボトムは爪先立ちで踊っていた。男性でもトゥシューズを履いて踊ることがあるのだろうか！
ティターニアとオーベロンのグラン・パ・ド・ドゥや、妖精たちのディヴェルティスマンを期待していたのだが、そういう構成の作品ではなかった（笑）。

振付：フレデリック・アシュトン
ティターニア：柴山紗穂
オーベロン：渡邊峻郁