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2023年01月15日13:57

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【展覧会】パリ・オペラ座展(アーティゾン美術館)

パリ・オペラ座を中心とした、フランスのオペラの歴史を概観する展覧会。絵画のほか、写真、彫刻、楽譜、ポスター、衣装、映像など260点超。さらっと見るだけでも、あっという間に2時間が経ってしまった。

オペラとクラシック音楽が好きな私には作曲家の自筆譜が一番嬉しい展示品だった。
ラモーの楽譜は切り貼りがしてあり、苦心の跡がうかがえる。
グルックの楽譜は私が昨年鑑賞した「オルフェオ」だった。
モーツァルトの楽譜はフランス語の指示付き。耳が良い人だから、音楽と同じように複数の言語を自在に操っていたのだろうなぁと思う。
ロッシーニ、ヴェルディ、ヴァーグナーの自筆譜も展示されていた。

作家の自筆稿も興味深い。
ジャン=ジャック・ルソーの原稿は文字の訂正や校正の跡がない。字もキレイ。
プルーストの自筆稿も訂正等の跡がない。神経質そうな感じも伝わってくる。
ガストン・ルルー「オペラ座の怪人」の自筆稿も展示されていた。私はルルーの原作から入ってしまって、それがちっとも面白くなかったから、ミュージカルや映画が話題になっても興味が持てないまま現在に至っている(笑)。

デ・キリコやレジェの舞台装置は面白そう。
クリスチャン・ラクロワ、マーク・ジェイコブス、カール・ラガーフェルドなども衣装デザインに携わっている。さぞ洗練された舞台だっただろう。
ルノワールがヴァーグナーを崇拝していたというのは意外だった。ルノワールが描いた「『タンホイザー』の場面」は田園的で、明るい南仏の雰囲気に満ちている。ヴェーヌスの住むヴェーヌスベルクがこんなに素敵な場所ならば、私も訪れてみたい。

それにしても舞台装置の規模の大きさには驚かされる。遠近法を駆使すれば奥行きのある舞台は作れるが、舞台美術を描いた作品を見ていると、屋外ステージなのではないかと思えるほどスケールの大きな背景を擁している。私にとって馴染みのある新国立劇場の舞台が小さく感じるほどだ。
元々は王侯貴族の娯楽で採算度外視なところがあり、幸か不幸か、それが伝統になってしまったのだろう。

見たことがないオペラ、初めて知る名前のオペラには心動かされる。いつか鑑賞できることを祈りたい。

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