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2022年11月24日10:49

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思い出1

その子はとにかくよく話し掛けてきていたのだが、特にわたしがひとりで可哀想だから親切にしていた感じでもない。ただ斜め前の席で近かった。授業中でもよく振り向いて話してきた。仲が良い訳でもないのに親しげなので、えっ何で?わたし?と思っていた。
何言われていたかは覚えていない。ただよく茶化されていた。髪切ったら悪口を言われた。テストが返って来たら勝手に見られた。隠すと「点が悪いから見せんのじゃろー」と言われた。隠さないと「自信があるんでー」と言われた。言っておくが友達じゃねえぞ馴れ馴れしいぞ、
とは言えなかった。

わたしが孤立しているのとか、あまり喋らないことについて、何か言われたのか言われなかったのか、覚えていない。

その後しばらくすると、席までわざわざ話しに来るようになった。わたしは何が起きてるのか?と思ったが、あまり気にしないようにした。緊張するので敢えて目を見るようにしていた(と日記に書いてあった)。それで何か誤解を与えたかもしれない。
その頃は、答えられないような質問をされて困っていた覚えはあるが、具体的に何を言われていたかははっきり思い出せない。
ただ、朝会うと「〇〇さんおはよう!」と律儀に言ってくれていた。そこに少しの親切は感じたかもしれない。でも人の気持ちは決めつけられない。
髪は親にいつも変な段をつけられて短く切られていた。まだ美容院には行ったことがなかった。その子には「〇〇さん髪伸ばさんの」と言われた。知らんがなと思った。

クラスには友達がいなくて、1日ひとことも話さない日もあって、世界は壁の向こう側でわたしだけカプセルの中から操縦しているような気分になることもあった。だから悪口でも、からかいでも、わたしに関わって世界と繋げてくれるなら嬉しいと思っていた。
その頃は他に好きな子もいたし、話し掛けられるのが有り難い嬉しいとは思うけど、別にそれで好きになることはなかった。ただあまりよく話してくるので「好かれてんのかな」と1ミリくらい思っていた(勘違い)。高校の同級生男子の中では一番好きだった(人間的な意味で)。

2学期後半になるとがっつり話しに来ることは減って、たまに来たと思えば「消しゴム借して」と言われてガッカリしていた。後で思えばガッカリするようなことではないんだが。
それでも教室でも廊下でも会えば「おはよう」と言ってくれていて、それは進級してクラスが変わってもしばらく続いていた。
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