先週と言えば、休み前に、ブックオフに繰り出しては「ナニワトモアレ」という南勝久先生のヤングマガジンの作品を探していた。
登場人物の多くが、中卒とか高卒の方々が多かったが、これも時代だろう。そして「何者」かになりたくて、短気なのは、若気の至りなのかもしれない。
私がこの作品に惹かれるのは、正直に言って、主人公のぐっさんが「ユキ」という可愛い(多くの人が認めているであろう意味で)彼女を引き連れていること、そしてマーボ、ヒロ、ナオキ、そしてゼンといった、灰汁の強いキャラクターに振り回されながらも、人間的に成長するという点であった。
彼らは、抗争と口にすれば、容赦なく他者を傷つける面があった。これも若さゆえなのか、やられたらやり返す、というのは基本中の基本であろう。「ナメられたら、アカン−−−−−−−−俺らを甘ゥ見たら、どうなるか思し知らせたるわ！」というのが、多くのキャラクターに共通しているスタンスであった。
「怒りは、恐怖の裏返し」という言葉もある。相手の事を知らないから、排除しよう、とする動きに、得てして人は成りがちであった。換言すれば、経験なり教養なりというものがあれな、怒りをコントロールすることが出来る、と思われる。
たが、劇中では、平成元年の世界線であり、当然ＳＮＳが将来登場するなど、知る由もない世界線であった。もちろん、若さで怒りのエネルギーを持つ、という場合もあるだろうが、畢竟、若さってのは、とにかく、仲間を増やして、邪魔者を排除しようとするエネルギーを持て余しているのかもしれない。それがと時には「愛情」となり、そして時には「怒りに」になるのだろう。
今、こうやってパソコンに向かってmixi日記を書いている俺であったが、明らかに今までと、何というか、日記に対してのスタンスが違う所を自覚していた。以前は、明らかに衝動で書いていた部分が多く、はっきり言って、対象に対しての「恨み」そのものであった。そのエネルギーの本質というものは。
ある時は、高校のイジメ連中であり、そしてある時は、友達と疎遠になる原因を作った、人間として終わっている教諭であったり、そしてある時は、ゴミレベルの演奏で、100円ぽっちの入場料で「お金を取れる演奏じゃない、学祭に出すに値しない…」などと述べていた、阿保共の顔が浮かんでは、それを払拭すべく、私の心のモヤモヤを垂れ流しているような状態であった。
だが、だいたい今まであってきた女性たちに、彼女たちの心の声を聞いて、そして僕の心の扉を開いていくうちに、過去のそういったクソの如き出来事も、「引き出し」にしまえるようになった。もちろん、心のトイレに流してもよいが、昔やった「プラパン」の如く、じょうぶなプラスチックにファイルして、直すことも出来ただろう、要するに、「心の整理整頓」が上手くいくようになったのかもしれない。
僕は、今まで相当良い思いもしてきただろう、だがそれ以上に、クソの集まりに引き寄せられることがあった。それはとどのつまり、私という人間が、「自己肯定感が限界まで下がる」という病を、長い間克服できなかったからに他ならない。そしてその原因は、正直「母」にあるといっていい。いや、母の役割を果たしていなかったのだから、母ってのもおかしくないか。みしろ「負の感情発生装置＆俺を感情のゴミ箱にするアホンダラ」と言い換えた方がいいだろう。もちろん、この人の収入があるから、上手くいった部分もあるだろう。ただ、俺と同じく、やはりそれ以上に色んなものを台無しにしてきた。ある時は、姉への信頼を失い、そしてある時は、というかこれがもう全てといっても過言ではないのだが、私が、自分を守るための『怒り』というものを、封印してしまう原因を作った張本人であろう。
俺という人間は、基本的に人のせいにしない、とい人種である。どんな時でも、自分の責任で、という姿勢は大事だが、ただ究極の事を言わせてもらえれば、私の一番基本的に持っていなくてはならなかった「心の安全地帯」と「自分を守るための怒り」というのはを持てなかった点だけに限れば、100％この、使いたくはないが「母」のせいであろう。
「どんな時でも。自分のせいで」と考える人間は確かにいるだろう。だが、圧倒的に世の中の男の多くは、「どんな時でも。自分のせいじゃない。他人のせいで」と考えるゴミである確率の方が高いだろう。人は自分よりも上の人間に遭遇した時、「憧れ」か「嫉妬」の両極端の振れ幅を持っているのである。それに即して言えば、俺を攻撃してきた阿保の多くは、僕に嫉妬していたといって、差支えがないだろう。そうでなくれは、俺につっかかるという事の説明がつかないのであった。
僕に関して言えば、なのであるが、どうしてもある状況の中で、僕を大切にしてくれる人と、はっきり言って「抹殺」してやろう、ってヤツが共存することが多かった。そして得てして、多くの状況に当てはまるのだが、大切にしてくれる人間は、その「不和を起こす」可哀そうな人種を避けて、そこからいなくなるのである。かくしてどこの組織でもそうだが、そこしか居場所がない人間が残っていく事になることは、言うまでもなかった。
ハンドボールに関して言えば、僕ははっきり――当時は望むべくもなかったのだが、女性に僕心の内を話すことが先決であったと感じる。
「あの谷って顧問が、長年体罰の常習であった。」
「それを受けたある一人が、後から入ってきた僕にも、罵詈雑言と暴力と暴言を吐きまくった」
「俺は、もうこいつは殺さないとだめだと、ある日決意した。そして、僕は僕を守るために、その部員と大乱闘に発展した」
「今でも無論、その時の遺恨が、少なくとも僕の中には残っていた。俺は覆水盆に返らず、という諺が好きである。一線を越えてしまったもの、そして洒落にならない真似をした人間が、どんな人生を歩むのか、俺はそいつが、なるようにしかならない『ゴール』へ向かっていくお手伝いをするだけだ。」
「映画、聲の形では、主人公の石田少年が、時を経て、過去に築けてしまった西宮という女の子の償いのため、『君が、生きていくお手伝いをしたい』と話すシーンが、印象に残っていた。」
「ただ、僕の場合は、彼のそれとは、やや意味合いが異なる。無自覚とは言え、女の子を傷つけた贖罪をしていく、とうのは立派な事だろう。
「ただし、人生のある時期で、自分がされて嫌な事を、他人にぶつける者、そこに罪の意識を感じることがない人間」
そして「こいつのせいにしておけば、物事が有利に運べる。『こいつの恐怖に感じていることをちらつかせて、そこを攻撃するば、ビビって(はっきり言って)服従するだろう』っ」と踏んでいる者がいたとする。
誰しも恐怖に感じる事というのは、一つや二つあるだろう。ただ、その恐れていることを、他人にするのか、それとも「恐怖の再現」にならないように、二極の思想になるのは、換言すれば、「0か100」の思考に進んでしまうのかは、人それぞれだろう。私の場合は、少なくとも以前に関して言えば。間違いなく後者であった。
今思うのは、俺が感じる恐怖を、何も無理くり他者に転移させる必要はないだろう。問題は、それを、少なくとも俺相手に行うことに躊躇いがない、って人種に対しては、やり方を変える必要があった、という事だけは確かである。
たとえば、聲の形の大ファンであると公言しているレミオロメンの藤巻亮太氏も、畢竟、特に石田少年と自分自身を重ねているような節があった。というか、はっきり言って、そのまんまであろう。
この手の人間というのは、得てして「空回る」事が多い。藤巻亮太氏も、去年見た感想であるが、「もう僕は、過去の罪悪感の気持ちを、歌にすることで昇華してきた、がむしゃらだった。若かったから。でも、はっきりって、俺はしんどい。自分でも無味無臭の歌しか、作れない。」
モラトリアムの歌詞ではないが、「君の優しささえ裏切ってしまう日々さ」である。
確かにレミオロメンは復活して欲しいと思ったこともあった。もっと、あんたにしか書けない曲を聴かせてくれよとも思っていた。
だがそれは、「ナニワトモアレ」ではないが、あの熱かった時代を、もう一度復活させよう、というぐらい、無理なことなのかもしれない。何故なら、若さゆえに、何物でもないがゆえに作り上げた曲を歌うには、今の氏は、色々な意味で遠すぎるのである。「深呼吸」の歌詞にある「きっと思い出の大げさも大凪も、今を生きるにはあまりにも遠いだろう」と、彼がそのまま重なるのであった。
新曲を出さないっていうなら、それでもいいし、年末のコンサートの規模がどんどん縮小していっても、それもいいだろう。ただ、セールスという数字に、如実に表れるのは言うまでもないが。
おそらく、彼のコンサートに来る人間というのは、同窓会に来ているようなものなのかもしれないな、と思った。中年やシニアのマダムたちが、亮太く〜〜んと黄色い声を上げるのはいいが、決してそれは、若者に訴求することはないのだ。それは彼が、私と同じく現在が、周りの(社長や啓介、治たち)の影響を受けない、そして、コロナ禍で、さんざんライブが中止に追い込まれてしまった、まさに0状態の彼である。
もはや「スペシャル」「プレミアム」「ライブ」などと運営が抜かすのは、大言壮語ならぬ、羊頭狗肉に他ならない、と思った。同じく、ライブと口にしている他のアーティストの方々に謝れよ、第一線を退いたとはいえ、チャットモンチーのえっちゃんや、ＳＡＬＹＵたちの方が、全然人の心の訴求しているぞ。もしかしたら、ナイナイの岡村さんと同じように、ある時にスターダムにのし上がった人の成れの果て、なのだろうか。
私ももちろん、他人の事を言えた人間ではないのだけれど、心のモヤモヤを、歌にしたりってのは良いけど、そりゃ語ることがなくなったら、ガス欠で何も書けなくなるわ…
ちなみに、去年の2021年の紀尾井ホールコンサートは、私が彼のライブで、おそらく初めて「居眠り」したような前半であった。委細は失念したのだが、それほど、文字通り「眠たい」事を言っていたような内容でったのだ。
やはり、演者が自身のライブについてどう思っているのか、客にもはっきり伝わっている、といっても過言でがない。ここで3つ、彼に対して選択肢を持っていた。
⓵これからもライブに行く、但し、心に俺が思っていない事、好きでもない事は明白って場合。
これは、少なくとも今年に入って、心の修理を努めて行ってきた僕には、おそらく、選ぶことができない選択肢であろう。
⓶藤巻氏を攻撃する。
これはお門違いである。「ＭＣの時に、自分で言ったことに噴き出す奴が、どこに居てるんじゃあ、ワレ、舐めとんのか----っ」とまではいかないが、年末のライブは、それが喉まで出かかっている状態であった。これは僕の精神衛生上にも、無論良くないであろう。
��ライブに行かない
これが一番現実的な判断ではないか、と感じている。
できれば、関西圏に来たときは、行ってみたい、という気持ちはあるが、少なくとも、首都圏のはいかないであろう、と思われた。思えば、2014年から、2021年まで、藤巻亮太のために、東京へ遠征したものであった。
六本木ＥＸシアター
渋谷クワトロ
日本大学・水道橋キャンパス
サンプラザ中野
石川、赤羽ホール金沢
これ以降、僕の精神崩壊が始まっていった。その最初らへんで、彼がリリースしたアルバムが「北極星」である。この表題曲は、おそらくレミオロメンのメンバーの事を歌っているのだろうが、私には、会いたいのに会えない祖母の事を歌っているように思えてならなかった。そしてこの時期、私には涙が止まらなかった。
山梨県、山中湖プラザきらら
翌年も同じ場所
東京、紀尾井ホール
新型コロナウイルス到来。
東京、昭和女子大学
東京、サントリーホール
山梨、韮崎にて、東京エレクトロンホール
そして…再び東京・紀尾井ホールへ
不思議だが、ここまで遠征して、その内容を、誰にも話していなかった。
それは、私が本心では、彼に対して、語ることがない、と思っていたことの証左であろう。
彼自身に、もはや何も語ることがない、というように、
私もまた、彼のファンを止めようとしていのであった。
ログインしてコメントを確認・投稿する