マッチポンプは火事の元

　木馬亭で浅草２１世紀「訪問者にご用心　マッチポンプは火事の元」を観劇。幕開けは舞舞夢で、しのはら実加さんの舞踏は「名月赤城山」。大上こうじ座長の国定忠治はなぜかパンチパーマ。2人の掛け合いがないと始まらない。
　MiiNAさんは、トランプを使った王道のマジックに加え、本人の華やかな雰囲気で楽しめる。歌のゲスト恵中瞳さんは、アイドルの格好だが演歌歌手とは意表を突く。しかし合戸露風の振り付けで歌う。
　２幕は「訪問者にご用心　マッチポンプは火事の元」。夫の死を嘆く妻。そこにソファーの陰から夫の幽霊が現れるのは笑った。
　知人の代理人が現れるが、これが泥棒。妻に睡眠薬を飲ませるが、これで妻が死んでしまう。さらにクローゼットから縛られた執事が出てくるのに驚く。
　次々に型破りの人物がやって来て、そのたびに泥棒と執事があたふたする。これは死体を巡るコメディ。さらに出演者たちのアドリブ合戦となる。展開に無理があるが、この芝居ならよし。「ゴースト　ニューヨークの幻」を換骨奪胎するものいい。
　客席に入院していたマイミクさんを見つける。早速舞台上からいじられる。これが浅草２１世紀の退院祝いだろう。かなり大変な病気と聞いていたが、終演後話をしてみると、以前と変わらないように思えた。これが今日一番の吉事。