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2022年07月25日06:31

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金(gold)先物の安値は将来のインフレ、物価高の恐れが遠のいていることを予示しているか

 欧米も日本も、深刻なインフレにおののく日々だが、国際的な商品市況はその先の景気後退を予測し、あらゆる商品が軟調になっている。

◎3月の過去最高値から約2割の下げ
 その中でも目立つのは、金(gold)相場である。国際指標であるニューヨーク先物は、20日に一時1トロイオンス1690.1ドルの安値をつけた(22日の終値は若干戻して1727.4ドル)。
 しかしその値は、ロシアのウクライナ侵略による「有事の金」相場で湧いた3月初めの過去最高値の2078.8ドルに比べれば、2割近い安値となっている。
 金は、決して価値がゼロになることはない、永遠かつ確かな貴金属だ。戦時やハイパーインフレ時には特に好まれ、誰もが購入に走る(写真=金の延べ板)。
 原油が異常高値をつけ、ロシアのウクライナ侵略がとどまるところを知らないと思われた3月は、一気に需要が盛り上がった(写真=3月初め、ロシア侵略軍に蹂躙されたキーウ郊外の惨状)。そこで、史上最高値をつけた。

◎金先物はインフレ期待を測るリトマス試験紙
 しかし景気が後退し不況に陥ると、インフレ期待から買われた金の需要は一気にしぼむ。投資家は、利子を生まない金を敬遠し、金利が付いて高値が見込まれる債券購入に走るからだ。
 つまり金先物価格は、将来のインフレ期待の有無を測るリトマス試験紙なのだ。
 その金先物価格が軟調になっているのは、商品高もこれまで、という多くの投資家の見立てが背景にある。

◎コムギ先物価格はすでに侵略前に戻る
 22日、国連とトルコを後見役としてウクライナとロシアの間に、黒海を通る穀物輸送の道が開けた(写真=イスタンブールで開かれた4者協議)。あの食えないプーチンのことだから、ウクライナからコムギなどの安全輸送の取り決めが守られるかはイマイチ不安だが、コムギ先物価格は、それを見越して、ウクライナ侵略前に戻った。
 世界の食糧価格の高騰も、いずれ収まるだろう。
 原油価格も、22日のニューヨーク先物相場は1バレル=95ドル台と、一時の天井知らずの高騰は影を潜めた。

◎スターリニスト中国のゼロコロナ政策が生む弱気
 相変わらず高いのはロシアのドイツへの供給削減などが不安視されている天然ガスだが、こちらはいずれは中東やオーストラリア、アメリカなどが増産して、価格を抑えることだろう。
 むしろスターリニスト中国の相変わらずのゼロコロナ政策の影響で、2022年下半期も資源・食糧需要が伸びないことが、世界の商品相場の弱気材料になっている。今後も、金を初めとする商品価格に下押し圧力がかかるだろう。
 いたずらに物価高を恐れる必要は、もうない。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202207250000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「2021年度防衛白書が危機感を吐露した台湾海峡の有事と隣ごとではない日本の南西領土」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202107250000/

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