インド洋のスリランカで「革命」が起きた。
◎首都コロンボで民衆が大統領官邸など選挙
長年、スリランカの政治を支配していたラジャパクサ一族の長で、大統領を務めていたゴタバヤ・ラジャパクサが、ハイパーインフレに抗議する数千人の民衆に首都コロンボの大統領官邸や公邸を占拠され、１３日、国外に逃亡した（下の写真の上：街頭を埋めるデモ隊、下の写真の下：シンガポールに脱出したラジャパクサ）。
なかなか辞任しなかったが１５日、とうとう復帰を諦めて辞表を提出した。
ただ大統領代行に就いた首相ウィクラマシンハは、ラジャパクサの盟友であり、この強権支配が続けば、スリランカの混乱は収まらない。
◎外貨準備は激減し、対外債務は激増
スリランカは、武漢肺炎パンデミックの影響で、同国のＧＤＰの１割を占める観光収入がほぼ無くなった。そのため紅茶などの輸出も及ばず、外貨収入が激減した。
武漢肺炎パンデミック前の２０１９年末に約７６億ドルあった外貨準備高はこの６月末で約１８億ドルに減り、ほぼ底を突いた。
またラジャパクサ一族支配のもとで対外債務も急増し、後述するゴタバヤの兄のマヒンダが大統領就任時（２００５年）には１００億ドル程度だったものが、退陣した時には約５００億ドルにも膨らんでいた。貸し込んでいたのは、むろん国際的な「悪質サラ金業者」であるスターリニスト中国である。
◎「破産国家」を見捨ててラジャパクサは海外逃亡
このため原油なども輸入できず、先頃、プーチンのロシアに原油援助を願い出ている。
国際収支の悪化でスリランカ・ルピーは急落し、国際商品の相場高騰もあり、ハイパーインフレが起こっている。
特にガソリン不足が深刻で、首都コロンボなどで、給油所に何日も並ぶ自動車が列を作り、待っている間に車中で熱中症死する犠牲者も出た。
そうした中で９日、大規模デモで大統領官邸などが占拠される事態となり、「破産国家」を見捨ててラジャパクサ逃亡に至った。
◎スターリニスト中国の「債務の罠」にはまったスリランカ
スリランカのラジャパクサ一族支配は、２００５年のゴタバヤの兄マヒンダの大統領就任に始まる。１９年にゴタバヤが大統領に就くと、マヒンダを首相に任命した。さらに財務相に弟のバシルを就かせ、他の複数の閣僚ポストも一族が占めている。
まさにラジャパクサ一族支配である。
この間、ラジャパクサはスターリニスト中国の「一帯一路」に乗って、前記のように債務を膨らませ、「債務の罠」に落ち込み、ついに２０１７年７月から９９年間、南部ハンバントタ港（写真）の運営権を借金のカタに差し出した（１８年３月３０日付日記：「スターリニスト中国の『サラ金援助』が新興国を借金苦に追い込み、あげくに領土を奪って植民地化へ：スリランカのハンバントタ港の例」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201803300000/を参照）。同港周辺は、スリランカ人も立ち入れないさながらスターリニスト中国の植民地のようになっている。
スリランカは、ＩＭＦに金融支援を求めているが、融資がスターリニスト中国の借金返済に回されることを警戒し、スムーズには進んでいない。
高利の「サラ金」が怖いのは、国際関係でも同じだ。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202207190000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。
昨年の今日の日記：「北海道紀行��：小樽を歩くその３＝小樽海上観光船でたった１人の祝津までのクルーズ」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202107190000/
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