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2022年07月12日14:24

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【展覧会】ルートヴィヒ美術館展(国立新美術館)

開幕して間もない土曜日の夜間開館。会場はガラガラに空いていた。これなら写真、彫刻、映像、現代作品など、自分があまり見てこなかった作品もゆっくり見られて、いろいろ勉強になるのではないかと思ったのだが、人が少なすぎるせいか会場がひどく寒く、ゆっくり鑑賞するどころか「早く出たい!」と思ってしまったのはちょっと残念。

私が楽しみにしていた近代絵画は全体的に地味だった。
最も期待していたワシリー・カンディンスキーの「白いストローク」は、肝心の白いストロークが周囲の色に溶け込んでいて、意外と目立たない。
カジミール・マレーヴィチの「スプレムス38番」は、背景色が展示室の壁の色に馴染んでいて、意外と目立たない。
パブロ・ピカソの「アーティチョークを持つ女」は、同系色でまとまっていて内向きに濃くなっていくので、大きさのわりに、意外と目立たない。
アンリ・マティスの「静物」はくすんだ色で描かれているので、こちらも意外と目立たない。
だが、地味な作品ゆえに「あ、こんな作品も描いていたんだ」という発見がある。これがルートヴィヒ美術館のすべてではないだろうけれど、さりげない作品をコレクションするというコンセプトもなかなか面白いと思った。

非常に印象深かった写真が1点ある。アレクサンドル・ロトチェンコの「水への跳躍」。高飛び込みの選手が体を丸めて宙を舞っている瞬間を下から撮ったもので、ボールが青空の中に投げ出されたかのようにも見える、朗らかで力強い作品だった。

時間帯と場所柄のせいだろうか、館内は1人でじっくりと作品と向き合っている若い男性の鑑賞者ばかりで、それもなかなか印象深かった。
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