映画「影武者」☆

2022年3月9日BS録画鑑賞

黒澤明監督にとって歴史上の人物を扱うのは初めてのケース、この映画も何度か観ているけど、感想は書き起こしていなかったのは意外だった。

物語は、武田信玄の側近達による影武者の活用術を描く。

流石の迫力、影武者が武田軍団を閲兵し、調子に乗って騎馬で駆け抜けるシーンは最高だった。

一つのシーンを、あまりカットを割らずにじっくり見せる感じが、昔の映画っぽくて今の基準だと退屈に感じますが、言葉ではなく所作で表現する演出はカッコいいと思いました。
それと、カメラワークの豪快さ、湖に武田信玄の躯入り大ガメを落とすシーンのスモークや遥か向こうから武田軍団が行軍する引きのショット等どんだけ金かかっているのかと驚きました。

それにしても長かった、映画「乱」の時も思ったけど監督をコントロールする誰かが必要な感じだった。
影武者というテーマに対して、あまりにも豪華な合戦シーンを作りすぎて焦点がぼやけてしまっていると感じました。どちらかと言うと、中盤の館に戻った後の話、子供にバレそうになったり、側室にバレそうになったりするのを頓智で上手く切り抜けるところに焦点を当てた方が面白かったのではないかと感じました。

影武者が最初は下郎だったのに徐々に影武者らしく振舞うのが、とても可愛くてお勧めです。