mixiユーザー(id:4941862)

2022年05月10日00:01

29 view

映画「死刑にいたる病」☆☆

2022年5月9日劇場鑑賞

主人公が死刑囚の心の闇を覗くと、その心理が見えてきて死刑にいたる病の症状を診ることになった。実際冒頭の拷問シーンを始め死刑囚の行動はどれも常軌を逸しており、端的に病気だと感じました。

物語は、死刑囚からの手紙により感化され殺人事件の真相を追うことになる主人公の話です。

阿部サダヲの大きな黒目を強調した演技がとても良くて、感情の無い殺人鬼っぽい感じがしました。特にあの独特のゆったりとしたテンポで優しく語りかけられると良い人だなと誤解してしまうのも納得です。
中山美穂の枯れたようなお母さん演技もビックリするほどアイドルのオーラを消していて最初そっくりさんかと思いました。しかし、昔の場面ではアイドルだなと思わせる可愛さでした。
主人公の学生生活、カップ焼きそばと100%濃縮還元オレンジジュース(紙パック)の組合せは、学生の食べる夕ご飯としては惜しかった。私なら、サイドアームとしておにぎりを横に並べる。物語中盤に高校生に色目を使ってキャーキャー言われるシーンがあるのですが、その瞬間だけ本当にカッコ良くて役者凄いと感じました。
ヒロインの女は、ゾッとするほど艶っぽくてまさに小悪魔、特に雨に濡れた髪を指で耳に掛けるシーンは心臓がバクバクした。そして、物語のオチから逆算してもこれ以上ないイイ女だった。それと、彼女は呑んだ帰り道に二人っきりで「もう少し飲みたいな。」なんてキラーワードの使い手なので、比喩じゃなく本当に食べられるんじゃないかと邪推した。


面会室で主人公と阿部サダヲが面会するシーンでは、仕切り板越しにお互いの顔が映り、主人公が阿部サダヲに共感すると顔がシンクロし、心が離れていると映る顔も離れるという演出がとても映画的で良かったです。

この映画における中心は常に阿部サダヲで、その掌で踊る駒としての主人公という構図に気づくのがクライマックス、そこからの真相、物語のオチという流れになります。
あまり多くを語るとネタバレになり、ビックリ展開の衝撃が減るのでやめますが、序盤から頻出する単語、「決めると良い」「決められない」が恐ろしい意味を持つということだけは覚えておいて損はないです。
それと、ラストのビックリ展開ですが、よく考えると序盤から分かりやすく伏線があり、腑に落ちるのも良かったです。

小さな事を大事の様に褒めたり、互いに競わせたり、親身になって悩み事を聴いたりと人の心にスッと入り込んで信用を得て人を操縦する、そんな殺人鬼の心に触れたい場合はお勧めです。
0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年05月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

最近の日記