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2022年05月04日14:08

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【展覧会】ピカソ ひらめきの原点展(パナソニック汐留美術館)

展示点数120点。小ぢんまりした汐留美術館だが、展示室内にも壁を設けて小さい作品をたくさん並べるなどの工夫がされていた。
似たような作品が並んで、ピカソの試行錯誤の跡や雰囲気の違いを楽しむことができるので、ピカソ好きとっては非常に見応えがある展覧会だろう。
ピカソにそれほど興味がない私は次第に飽きてしまったが、しかし、ピカソらしからぬ慎ましやかな雰囲気の最初期の作品は興味深かった。キュビズムに至る過渡期の作品ももっと見てみたいと思った。

大量のピカソ作品を眺めていると、彼の超人ぶりに圧倒される。長寿で多作、作風のダイナミックな変遷。バイタリティは衰えることを知らず、45歳の時に17歳の、54歳の時に28歳の、61歳の時に21歳の、72歳の時に27歳の若い恋人がいたり、86歳で347枚の連作版画を7か月間で作り上げたり。
年齢を重ねると精神性・宗教性が垣間見える作品になったりするが、ピカソは晩年まで徹底的に俗物。常に女性を愛し、別の女性と出会って作風を変えていく。周囲の人々のエネルギーを吸い取って作品を作り上げているのだろう。関係した女性たちも晩年はあまり幸せではなかったようだし、ピカソの没後は莫大な財産をめぐって遺産争いもあったようだ。
亡くなってもなお多くの人に影響を与え続けているという意味でも、ピカソは巨人だ。人間の域を超えているようにも思う。
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