米国とNATOのためらいが習近平の台湾武力侵攻を後押しする
米国で高まる議論「中国は台湾を攻撃するか」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69401
●中国は米国の力が衰えたと判断
ワシントンに本部をおく米欧安全保障研究機関「大西洋協議会」のマイケル・シュルマン主任研究員が3月初めに発表した論文は、まさに「台湾は次か?」と題されていた。シュルマン氏は米欧の安全保障だけでなく米中関係にも詳しいベテランの研究者である。
シュルマン氏はこの論文で、バイデン政権が軍事がらみの反撃策を当初から排除したことがプーチン大統領を勇気づけたとしながら、ロシアのウクライナ侵略の中国への影響を詳しく論じていた。その骨子は以下の通りである。
・ロシアによる他の主権国家への一方的な軍事力行使と制覇を止められない米国に対して、中国が米国の力が衰えたと判断するのは自然である。同時に中国指導層は中国の総合国力が増大したことへの確信を強めている。
・ロシアのウクライナ侵略に対して、米国と西欧諸国は結束して非難を強めたが、軍事がらみの行動をどこまでとるかについては一致をみていない。その背景には、近年のNATO(北大西洋条約機構)内部での「戦略的自主権」という新たな概念の成長がある。この概念は今回のウクライナ戦争では「戦略的優柔不断」という傾向を示した。
・中国指導層は、米国とその西欧同盟国のこうした現状を見て、アジアでの中国による台湾侵攻という緊急事態でも米国が正面からの軍事介入で台湾を支援することをためらう可能性があると判断しつつあるようだ。その結果、中国共産党にとっての積年の悲願である台湾併合を武力行使してでも断行することへの意欲はかつてなく高まったと言える。
米国とNATOの対応については、3月24日にバイデン大統領を迎えてベルギーのブリュッセルで開かれるNATO首脳会議の動向が注視される。米欧諸国によるこの集団防衛態勢は、かつてソ連支配下にあったポーランドやハンガリーなども含めて、米国主導の下、同盟の絆を強めているかに見える。だが、今回のウクライナ戦争では全体としての明確な対応がとれていない。しかもウクライナはNATO加盟国ではないとはいえ、軍事支援の実施も合意ができていない。
ウクライナ戦争の中国への影響やアジアへの意味を考察する米国の専門家の間では、シュルマン氏のように、NATOのためらいが習近平主席の台湾侵攻を後押しする材料になるとの見方も多い。
●中国の台湾武力侵攻をロシアは支援?
〜米国が台湾を防衛する意思の強さは、今後の米国のウクライナへの態度でうかがえると中国は見ている。
米国には、プーチン大統領のウクライナ侵略は中国の習近平主席との共謀に近く、ウクライナ問題が台湾問題と絡み合うのは当然だ、とする見方も当初からあった。
(中略)
●ウクライナの抵抗に驚く中国
(中略)
このようにウクライナ戦争は決してウクライナだけにとどまらず、アジア太平洋地域、中国や日本を中心とする東アジアにも大きな意味を持つことになるという自明の理が、台湾問題に関する米国の専門家たちによって示されている。日本側としても真剣に考えざるをえないウクライナ戦争のもう一つの意味だと言えよう。
※詳しくはサイト本文参照
■そもそもロシアはなぜ侵攻したのか 基礎からわかるウクライナ危機
(朝日新聞デジタル - 03月23日 18:03)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6896225
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