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2022年02月15日22:57

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【展覧会】ミロ展(Bunkamuraザ・ミュージアム)

ミロの作品以外の展示物(ミロ所蔵の日本の書籍や民芸、ミロを紹介する日本の美術雑誌等)がかなり多く、「ミロの作品を見た」という満足感は薄い。
だが、ミロがどれほど日本の文化に興味を持っていたか、ミロがどれほど日本で愛されていたか、ということを展覧会で体感しようとすると、ミロ作品以外の関連資料の展示比率が上がってしまうのは仕方がないことだろう。

それにしても、ミロと日本の友好関係はあまりに距離が近すぎないだろうか。シュルレアリストでスペイン人のミロと日本人がそんなに簡単に分かり合えるとは思えない。
・・・のだが、ミロの作品に囲まれていると何となく楽しい。
なぜだろう?

今回、ミロがコレクションしていた日本の伝統的な玩具を見ていて、ふと思った。
ミロが描く動物の形と似ていないだろうか。日本のおもちゃを見てミロが独自の造形を生み出したのではなく、単にたまたま似ていただけだとは思うが・・・。
ミロの造形はまた、洞窟に描かれた原始人の壁画にも似ているような気がする。それは稚拙ということではなく、良い意味で原始的な、存在そのものに対する喜びや畏怖の表れとも言えるだろうか。

展覧会の最後は大型の作品3点。いずれも墨一色でシンプルに描かれている。私には3点とも水平線と太陽を描いている作品のように感じられた。

そこで、ふと合点がいった。

ミロはスペイン人なので、おそらくカトリック信者だと思うが、彼の興味はキリスト教の宗教的世界ではなく、人間や動植物、太陽や星など、自然界そのものにあるのだろう。自然界に八百万の神を見る日本人と感覚が近いのかもしれない。
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