バレンタインデーの想い出

今からもう60年ほど前のこと
ぼくがまだ中学生だったころのことです。

ぼくの中学校は田舎の中学校で
大抵の子は農家の子でした。
当時は都市と田舎では生活様式にも大きな違いがあった時代でした。

もちろん田舎の中学生だったぼくらには
バレンタインデーなんて誰も知りませんでした。
田舎の村の小学校が5校ほど集まってくる中学校で
1学年で300人余りの学校でした。

この日の朝ぼくが投稿すると
同級生の女生徒が
「on君、きょう女の子から何かくれても断らんであげてね」
というのです。
ぼくは何のことかわからないままその日を過ごしていました。

下校時間になって
Kさんというぼくの好きだった女生徒が綺麗な包装紙に包まれた四角いものをくれたんです。
朝の話はこれだったんかと合点しましたが
どうしてこんなものくれるのか全く見当がつきませんでした。

夜になって
町で勤務している8歳上の姉が帰ってきて
その話をすると
「それっはバレンタインデーのプレゼントや。」
で詳しく聞いたら
この日だけは女性が思いを寄せる男性に告白してもいい日だということでした。
ぼくは好きな女性から告白されたとしって天にも昇る思いでした。

あとで聞いたら300人ほどの中でチョコレートもらったのはぼくともう1人だけだったということでますます有頂天になりました。
その彼女とはその後交際が始まりました。

ちなみにその彼女とは高校は別々の学校に進学。
2年間ほど付き合いました。

昔々のぼくの青春。
甘酸っぱい思い出です。

*チョコレートは今年のものです。