mixiユーザー(id:4380531)

2021年12月30日00:00

290 view

『相棒season20』元日スペシャル『二人』

『相棒season20』元日スペシャルは太田愛さんの脚本です。
season18以来なので実に1年10ヶ月ぶりの太田愛脚本回です。もしかしたら太田さん、もう『相棒』の仕事は卒業しちゃうのかなぁと危惧していましたが、驚きの元旦スぺシャル復帰です(^^) 今シーズンで冠城亘(反町隆史)の卒業が既に発表されておりますが、今回は捜査の依頼が彼の姉から舞い込んでくるという始まりとのこと。もしかしたら冠城亘退場のストーリーに繋がっていくのかもしれません。満を持してのスペシャル版です!

年の瀬の夜、亘の姉から奇妙な依頼が、憶喪失の男の意外過ぎる正体とは!?
フォトフォト
第11話 元日スペシャル「二人」2022年1月1日(土・祝)21:00〜
(テレビ朝日系列)
出演:水谷豊 反町隆史 仲間由紀恵 川原和久 山中崇史 篠原ゆき子
ゲスト:イッセー尾形 片岡孝太郎 飯島直子
脚本:太田愛
監督:権野元
フォトフォト
あらすじ(公式HPより)
年末、峯秋の誘いで高級レストランを訪れた右京(水谷豊)は、与党政調会長の袴田(片岡孝太郎)と経済界の重鎮が、会合を開いているところを見掛ける。個室のテーブルには、3人の席が用意されていたので、もう1人、参加者がいると思われた。同じ夜、落としたスマホを探していた少年が、大人同士が言い争う姿を目撃。それに気づいた男に、落としたスマホを持ち去られてしまう。
翌日、年末年始の当番勤務にあたっていた亘(反町隆史)は、ある女性から呼び出しを受ける。同じく当番だった右京に、「紹介したい人がいる」と言い、連れ出した先は教会。そこにいたのは、亘の姉・由梨(飯島直子)だった。ピアノ教師をしながら教会でボランティアをしているという由梨は、保護した記憶喪失の男性(イッセー尾形)の身元を調べてほしいと依頼する。しかし、本人が“湊健雄”と名乗っている以外、手掛かりはなし。唯一、大手鉄道会社の駅売店の名前が記憶に残っているらしいが…!?
そんな中、右京と亘は、湊を最初に見つけた2人の少年から話を聞く。利発な2人は、当時の状況を分かりやすく説明してくれたが、何かを隠している様子。どうやら、片方の少年が、雑木林でスマホをなくしたようで…!? 身元調査の糸口を求めて、駅売店の本社を訪れた右京と亘は、同社が非正規雇用の賃金問題で紛争を抱えていることを知るが、湊に関する情報は得られなかった。同じ頃、少年のスマホを手にした男が、身分を偽り、2人のすぐそばまで迫っていた。
2人の少年は何を目撃してしまったのか!?
亘の姉が保護した記憶喪失の男とも関係が?
人々の思いが交錯するとき、驚きの真実が明らかになる!

太田愛・脚本回リスト
『相棒season8』
第2話「さよなら、バードランド」
第3話「ミス・グリーンの秘密」
第11話「願い」 
第14話「堕ちた偶像」
『相棒season9』
第3話「最後のアトリエ」
第5話「運命の女性(ひと)」
第13話「通報者」
『相棒season10』
第3話「晩夏」
第10話「ピエロ」
『相棒season11』
第3話「ゴールデンボーイ」
第11話「アリス」
『相棒season12』
第10話「ボマー」
『相棒season13』
第8話「幸運の行方」
第14話「アザミ」
『相棒season15』
第13・14話「声なき者」
『相棒-劇場版IV-』
「首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断」
『相棒season16』
第3話「銀婚式」
第10話「サクラ」
第15話「事故物件」
『相棒season17』
第10話「ディーバ」
第18話「漂流少年〜月本幸子の覚悟」
第19話「漂流少年〜月本幸子の決断」
『相棒season18』
第19話「突破口」
『相棒season20』
第11話「二人」

1月1日感想追記(ネタバレあり)
亘の姉貴周囲人々にて起きたローカル事件だと思っていたのが、最後には日本経済の仕組みに対する歪みを焙り出す規模まで展開。しかも右京さんが新たな権力主義者を敵にするという構図(ラストで社美内閣情報官が無言で去って行くところの空気感がたまらない)を生んで幕を閉じるなど、今後のシリーズにも波紋を呼びそうな結末でした。

今回、あの後頭部暴打によって生まれ変わった内村刑事部長の判断(袴田政調会長を犯人の説得交渉に協力させる)がなければ事件は解決しなかった訳で、あの方の心変わりはストーリー構築での重要なファクターになっていることを再認識。今回、伊丹さんも妙にカッコよかったり、逆に甲斐さんがコメディリリーフだったりで、脇役陣の活躍がいい所でスパイスを効かせている分、冠城亘は意外と地味でしたね。一番印象的だったのは国家公務員法96条を聞かれた時の反応だったりして(^^;

最後に持っていくのは当然ながら右京さん。事件の骨格が見えてきたところで、黒幕の尻尾を掴む作戦を企て、徹底的な証拠を掴んでとどめを刺すところはカタルシスでした。最初から犯人が判明している展開は、意外に珍しいパターンかな。

タイトルの「二人」の意味は、少年ふたりの関係を指していると思いますが、このふたりと湊さんも含めたハートフルな結末は、元日放送の茶の間へのプレゼントならではな清涼感として素敵なエンディングでした。そしてそこに被せて語られた亘の親友・カズヤは、果たして今後、登場の可能性があるのか?? 実はそこが一番気になります。

尚、非正規労働者待遇抗議をヒステリックに訴えるプラカード集団のシーンは脚本では主旨が違っていたそうで、本来は意を決して裁判に挑まざるを得ないほどの境遇に苦しむ非正規社員を、正社員達も一緒に応援していることを右京さん達に語るシチュエーションだったそうです。派手な演出にアレンジしたのだとは思いますが、ストーリーの骨子部分に誤解を与え兼ねない描写になってしまっていたのは残念です。

太田愛さんがご自身のブログで補足説明をしているので一読いただければと思います。脚本家と監督で議論を重ねたうえでの完成作品であれば、それは製作関係者の総意ですが、このブログを読む限り↓そこまでの議論は行われていなかったようです。
https://ameblo.jp/gralphan3/entry-12718296806.html

太田さん一連の書下ろし小説『犯罪者』『幻夏』『天上の葦』で一貫しているのが、経済的弱者の声が届かない日本の社会構造風刺と、その仕組みを利己的に使っていながら世間には正義を装う偽善者を批判するスタンスなので、今回のプラカードシーンが太田さんの本意でないことは本編を観てすぐに理解しました。

でもそれは、リンクを貼ったのよりひとつ前のブログ(オンエア前)で「プラカードを持った人たちは、脚本では登場しません」と記載されていたのを先に読んでいたので、すぐにピンときたというのが正直なところです。もし読んでいない状態で鑑賞していたら、あの場面に違和感を持ったかの自信は正直ありません。いや寧ろ何も感じずに見過ごしていた可能性が高いとも思います。あの場面、ドラマ前半の静かな流れの中で派手目なメリハリを付けるという意味合いの演出意図を感じます。

かつてウルトラマンダイナの「僕たちの地球が見たい」で宇宙船クルーを見捨てたフカミ総監が、ラストの出迎えシーンに一緒に居るのは本意ではないと訴えた太田さんの自作への拘りは「相棒」のような地上波人気番組で社会的影響を配慮しなければならない背景から、多種多様な脚本の制約を受けている縛りの中で書いている立場として、加えて自分の思いに反する演出がなされたことは悲憤慷慨の思いかと想像します。

脚本家はシナリオを上げたら製作にはノータッチということもないとは思いますし、実際、相棒の劇場版では何回も直しを入れている経緯があったことを聞いています。劇場作品のような入念な仕上げをするような猶予はテレビシリーズにはないと思いますので、今回の現場とのコミュニケーション不足はコロナ禍の影響も含めて諸々の想像をしてしまいます。
権野元監督と太田さんは本作が初コンビ。完成後の作品に脚本家がこのようなコメントを公表するのは、結構なセンセーショナルだと思います。でもそうせずにはいられなかった太田さんの心中を悶々と考えています。映像作品における脚本は “絶対” ではないことは周知していたつもりでしたが、今回の件で改めて様々な思いが過りました。
15 12

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年12月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

最近の日記

もっと見る