不動産バブル破裂に脅えるのは、中国恒大集団以外ではないようだ(写真=上海のビル群を背景にした中国恒大集団のビル)。
スターリニスト中国不動産中堅の「花様年控股集団」(ファンタジア・ホールディングス・グループ)は、4日に返済期限を迎えたドル建て社債を償還できず、格付け会社から部分的な債務不履行(デフォルト)と認定された(写真=同社オフィス)。
◎花様年もドル建て社債の償還できず
中国恒大集団以外の不動産会社にも信用不安が波及してきた。
部分的デフォルトと認定された花様年は広東省深圳市を拠点に、スターリニスト中国の主要都市で住宅や商業施設などの不動産開発を手掛ける。香港メディアによると、元総書記の江沢民元の最側近である元国家副主席の曽慶紅の親族が創業したという。
同社の発表によると、4日が期限の約2億0600万ドル(約230億円)のドル建て社債を償還できなかった。これを受けて、格付け会社フィッチ・レーティングスは同社の外貨建て長期債務の格付けを「トリプルC」から部分的なデフォルトを示す「RD」に格下げした。
◎不動産他社も続々
同じようにアメリカの格付け会社S&Pグローバルも「トリプルC」から選択的デフォルトを指す「SD」に引き下げた。「元本の返済がない場合、発行済み債券のクロスデフォルトが発生する可能性がある」と指摘し、他の社債もデフォルト扱いになり得るとの見方を示した。
これは、他社にも波及しそうだ。不動産管理の「碧桂園服務控股」は4日夜、花様年の実質子会社から「7億元(約120億円)相当の貸付金が返済できず、花様年がデフォルトに陥る可能性が高い」との通知を受けたと発表していた。
さらに当局による不動産投資の規制強化を受けて、過剰債務企業の資金繰りに懸念が高まっている(写真=武漢市街地)。
フィッチは5日、江西省などで事業を展開する「新力控股」の長期債務格付けを「トリプルC」から「シングルC」に格下げし「デフォルトのようなプロセスが始まった」との見方を示した。
◎借り換えはすでに困難に
このように、金融市場では低格付け企業への警戒感がどんどん高まっている。借り換えようにも、一部企業は借り換えの資金調達が難しい状況になっている。
すでに恒大は9月23日と29日にアメリカドル建て社債の利払いを見送り、30日間の猶予期間に入っている。これを過ぎても、利払いがなされなければ、完全なデフォルトで、恒大は保証するドル建て社債を償還できなかったとの報道もあり、デフォルトは確実の様相だ。
◎恒大など巨大債務不動産会社に簿外債務
一部には、恒大を含むスターリニスト中国の不動産大手の多くが、巨額の簿外債務を抱えている可能性が指摘されるようになっている。
ロイター通信は7日、アメリカの金融大手JPモルガン・チェースの推計として、簿外債務の規模は数十億ドル(数千億円)に上る可能性があると報じた。
JPモルガンの試算によると、自己資本に対する負債の比率について、中国恒大は財務資料では今年6月末時点で100%としているが、簿外債務を含めた場合では少なくとも177%に上昇。一部で資金難とも伝えられた融創中国も87%から138%に上昇するという。
簿外債務は、かつて1997年の金融危機の引き金を引いた山一証券が抱えていて、同証券はそれがもとで自主廃業=破綻した。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「ノーベル化学賞は欧米の女性科学者2人、画期的な遺伝子切断の『クリスパー・キャス9』技術のの発見に授与」
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