2021年8月25日劇場鑑賞
タイトルから想像する復讐劇とは若干趣が違った。
考え方がパブリックイメージ通りのユダヤ人的であり、それが一層私を不快な気持ちにさせた。
物語は、第二次世界大戦直後の連合軍占領下のドイツにおいて、ユダヤ人たちによるドイツ人虐殺計画の顛末を描く。
イメージしていたのは、酷い目に遭わされたユダヤ人がドイツ人に復讐を仕掛け、ドイツの警察に追われるような映画でした。
しかし、実際は復讐を望むユダヤ人とイスラエル建国を前に国際的な騒動を望まないユダヤ人の対立を描いているうえに、復讐の本気度も個々で大分違うため最終的に主人公だけがテロ行為に走るという、なんともしょっぱい作りの映画でした。
とはいえ、ヨーロッパの歴史においてユダヤ人はずっと迫害されており、その中で戦争後の混乱に乗じて鬱憤晴らしを復讐という美名に乗せて実行するという気持ちは、少なくともこの映画劇中でも分かりやすく表現されており、例えばユダヤ人とバレた途端に態度を豹変させる住民等嫌なドイツ人が沢山いました。
また、主人公も家族を殺されながら生き残るためにドイツ人のために働き、収容所のガス室へ送るユダヤ人達に荷物を預かるけどシャワー浴びたら返すよと笑顔で送り出す役割を担い、荷物から食料をくすねて生き延びたと告白するシーンは胸が痛みました。
計算高いユダヤ人らしい部分をよく観られるという意味でお勧めです。
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