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2021年08月09日22:14

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映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』作品レビュー

映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』作品レビュー

 まるで祭りです。1作ごとに趣向を加え、新たな伝説を目指してきた本シリーズ。どれだけむちゃなアクションをやってくれるか。仲間たちの絆を盛り上げ、胸を熱くさせてくれるか。人気シリーズ「ワイルドースピード」の第9弾は、過去最多の4作を手掛けたジャスティン・リン監督を再び迎え、コロナ禍の影を吹き飛ばさんばかりの娯楽魂を堂々見せつけてくれました。
 最近作では、カーレースよりもスパイアクション色が濃厚となっていただけに、ジャスティン監督が再び手掛けることになって、カーレースから物語を始めるなど原点回帰しているところがシリーズのファンにとって嬉しいところです。また途中東京も舞台として復活しており、監督の東京好きなところも垣間見せています。
 
 物語は1989年、ストックカーレースでドミニク(ヴィニー・ベネット:青年期)たちの父であるジャック・トレット(J・D・バルド)の事故死からその幕が上がります。
 『前作』から5年後。ドミニク(ヴィン・ディーゼル)は前作で故人となったエレナ(エルサ・パタキー)との間にできた息子ブライアン(リトルB)の良き父となるべくレティ(ミシェル・ロドリゲス)と共に社会からひっそりと身を隠し平穏な毎日を過ごしていました。
 そんなある日、ドミニク一家をローマン(タイリース・ギブソン)、テズ(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)、ラムジー(ナタリー・エマニュエル)が訪れ、ただならぬ様子でドミニク達に動画を見せるのです。そこにはミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)が何者かに襲撃され、救難信号を送る様子が映し出されていました。
 ローマンらの説明によれば、ミスター・ノーバディはある積荷を空路で輸送していた際、襲撃を受けモンテキントへ墜落。その積荷であるデジタル装置「アリエス」のパーツを回収する任務を受けたのですが、そこは敵対国家の地域のため慎重を要するものでした。 平穏を望むドミニクは一度は家に残ることを宣言し、レティのみ出発しますが、息子を寝かしつけ動画を再度見直していたドミニクはある事に気づきます。そこには自分のファミリーしか持ってないはずの十字架らしきものが写っていたのだった。これが昔の因縁に繋がるものと確信したドミニクは改めてチームと合流し、モンテキントへと向かうのでした。
 
 墜落した飛行機にはミスター・ノーバディはおろか誰一人いない様子でした。ドミニクたちは不審に思いながらも残骸から積荷の回収に成功はます。けれども直後に敵対国の軍隊に襲われます。地雷原を駆け抜け、国境近くまで辿り着きますが、攻撃を受けたことでアリエスのパーツを落としてしまい、直後に現れた人物に横取りされてしまいます。その人物はドミニク、ミアの実兄弟であるジェイコブ(ジョン・シナ)でした。
 
 ジェイコブはドミニクとの激しいカーチェイスの末に崖へと飛び込みますが、直後現れた磁力付き戦闘機に収容され飛び去ってしまいます。ジェイコブは某国元首の息子であるオットー(トゥエ・アーステッド・ラスムッセン)、そしてドミニクの過去の敵であったサイファー(トゥエ・アーステッド・ラスムッセン)を手を組んでいたのでした。実の弟との再会に動揺を隠せないドミニクでしたが、アリエスのパーツを取り戻すため、そして実の家族との因縁に決着をつけるべく、ジェイコブを追跡するのでした。
 
 今回のお話のポイントは、父親の形見であるダッジーチャージャーを愛車とする主人公のドミニクに、血を分けた弟がいたということ。ファンを驚愕させる初耳のエピソードをぶっ込みつつ、いつしか国際的な陰謀に関わる殺し屋となった弟ジェイコブとの因縁劇が展開します。旧約聖書の「カインとアベル」を彷彿させる兄弟物語をベースとしながら、本シリーズの重要な主題であるファミリーの神話が上書きされていくのでした。

 映画のパワーを上げていくための燃料は何でもあり。シリーズから退場していた人物が再登場したり、ロケットを搭載した車が地球の重力を超えて宇宙空間をぶっ飛ばしたり(^^ゞ
 ご都合主義も大歓迎なのは、本作ならではサービス精神にあると思います。しかも、かつてプログラムピクチャーと呼ばれた2本立て、3本立て興行のおおらかなB級精神を思い出させてくれそうです。
 毎作呆気に取られるほどの高揚と熱狂、悪ノリの爆笑、情愛の涙など様々な反応を喚起され、ごった煮のエモーションが高まっていきます。超強力磁石を活用した壮絶カーアクションには本当にあっけにとらわれました。
 
 ラストはブライアンの運転する青のGT-Rが、再建中のドミニクの自宅に到着し、気付いたミアが微笑むところでエンディングとなっています。シリーズのファンなら、このラストシーンに深い悲しみを感じてしまうことでしょう(:_;)
 ただブライアン・オコナー自身は、第7作『SKY MISSION』での任務を最後に第一線から退き、家族と平穏な生活を送っているそうです。本作では終始姿こそ登場はしないものの、ミアがファミリーとともに任務を遂行している間、自身は家に残り2人の子供とリトルBを預かり世話をしていることが劇中のミアとレティの発言から明らかにされました。

追伸
 わたしはステイサムのファンですが、シリーズに欠かせない存在の元MI6エージェントのデッカード・ショウが本作では姿を見せませんでした。
 デッカードは、かつてのドミニク達の敵であり、ハンを事故死に見せかけて殺害しようとした人物なのです。
 ところがエンドクレジットの途中で、突然登場してきました。デッカードが、捕まえてきた人物をサンドバッグに押し込めて拷問する「トレーニング中」に、尋ねてきた客人を迎えようとドアを開けるとそこには、なんとハンが待ち受けていたではあませんか。今作はここで幕が下ります。今作ではミッドクレジットシーンでの登場のためエンドロールではクレジットされていないのは、ファンとして淋しい限りです。
 ところでジャスティン・リン監督は2023年と2024年に続編を契約済み。つまり本作は、新三部作の口火を切る作品となるわけです。
 次作は確実に登場してくるデッカードがファミリーにどんな災難を巻き込んでくるのか、そしてハンとの因縁の決着はどうなるのか、今から楽しみです。(2021年8月6日公開)
 
☆公式サイト
https://wildspeed-official.jp/



『ワイルド・スピード』20周年 愛されるワケを詰め込んだ特別映像解禁
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6559438
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