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2021年08月08日16:34

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母と会った

いつものように散歩に出かけると腰の曲がったおばあさんが両手にゴミ袋を持って歩いていた。
私の歩く先にゴミ集積場があるから、あそこに行くのだということはすぐに分かった。
私より先におばあさんがゴミ集積場に到着した。
両手はゴミ袋でふさがっている。
そこで私が「どうぞ」と言って黄色のネットを上に持ち上げた。
おばあさんは近づいてみると腰で折れ曲がっていて思っていたよりも小さい。
私の半分くらいしかない。
「ああどうも」と言っておばあさんは自分の持ってきたゴミ袋を捨てると思いきや既に出してあったゴミ袋の位置を奥に入れてから自分のごみを置いた
そしてもう片方のゴミ袋の先端を縛った。
「まだ締めてないだぇ」と言って笑った。
他人のゴミ袋の移動という一瞬の行動と捨てる寸前に封をするという行動。
捨てに行く途中でゴミを拾えば、その中に入れてからゴミに出すということが見て取れた。
そんな些細なことが腰の折れ曲がった姿と重なって7年前に亡くなった母を思い出し、少しウルウルときた。
いつもの公園を歩いていると公園内を掃除している白髪の老女が見えた。
先日も同じ場所を掃除していた。
公園を何周か周り、もうそろそろ帰ろうかと思った時まだ掃除している老女に声をかけてみた。
「この枯れ葉が溜まる場所で掃除しているのは修行か何かですか?」と。
ここの掃除は、やってもやっても翌日には元通り枯れ葉だらけになるのだ。
「私は、いろんな病気をやりまして骨も折ったものですから」と言う。
入院から戻ったときに、この公園に散歩に来て、その時にここをきれいにしようと決めたという。
「だから自分の好きな時に好きなだけ掃除して、やめようと思えばやめるし、でないと長続きしませんでしょ」と言う。
「ああ。いい考え方ですね」と自然に私の口から出ていた。
「こうやって草を取ろうとかがむのも長くはできないものですから」と座って、すぐ立ち上がって見せた。
自分で決めたルールで誰の迷惑になることもなく運動を兼ねて静かに満足感を満たしている。
また母に会った気がした。

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