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2021年05月03日06:00

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ネズミもいつかはハブ毒を作る? 猛毒タイワンハブの毒の起源は哺乳類などの唾液腺と同じ

 毒蛇のように、毒を持つ動物は多い。ただ僕の知る限り、毒を持つ哺乳類はいない。
 ただ現生の哺乳類でも、その1歩手前の動物はいる。例えばトガリネズミは、ミミズなどを麻痺させるために毒の成分を含む唾液を作るという。将来、こうした中から毒を持つネズミが進化してくるかもしれない。

◎ハブ毒産生の遺伝子を活性化させる遺伝子群を発見
 人に持ち込まれ沖縄にも定着するようになった猛毒のタイワンハブ(下の写真の上)の毒腺の遺伝子を研究した沖縄科学技術大学院大学(下の写真の下)などの研究チームが明らかにした。成果を盛った論文は、このほどアメリカ科学アカデミー紀要に掲載された。
 同大大学院生のアグニーシュ・バルア氏(写真)らは、タイワンハブの毒の遺伝子と共に働き、それを活性化させるうえで強い作用のある遺伝子を探し、約3000個を突き止めた。
 これらは、毒を作るのに欠かせない多様なたんぱく質が適切に機能するように、アミノ酸をうまく折り畳むのを手助けするなどの役割があった。

◎実は唾液腺と毒腺は同じ起源
 さらにネズミなど他の哺乳類の唾液腺組織を調べたところ、ヘビの毒腺と同じようなパターンで遺伝子が活性化していることを確認した。
 このことから、我々人類のような哺乳類の唾液腺とヘビの毒腺は、古くから共通の遺伝的な特徴を持ち、その後、ヘビの毒腺が独自に進化し、様々な毒素の生成に関わる遺伝子の数を増やしていき、今日のようになったことが分かった。つまり我々人類のような哺乳類の唾液腺とハブの毒腺は、共通の起源を持っていたのだ。
 哺乳類が、ハブ毒のような毒を産生できないのは、そのような遺伝子が進化していないからだが、中にはそれに近い哺乳類のいることも分かっている。

◎ひょっとすると毒を持つネズミも現れるかも
 例えば哺乳類でも前述のようにトガリネズミは、ミミズなどを麻痺させる毒の成分を含む唾液を作る。これなど毒腺進化の途上にあるのだが、そこからさらに進化を続け、ハブのような毒ネズミが現れるかは分からない。
 毒を持つことは、動物にとって自分の身を守り、また獲物を麻痺させて捕食するのに有益だが、毒を作るにはそれなりの資源を必要とする。多くの哺乳類が毒腺を進化させていないのは、そのコストが毒を持つベネフィットを上回るからだ。
 しかしネズミのように、常に猛禽類や小型肉食獣、ヘビなどから捕食されるリスクにさらされているとすれば、中には毒を持つベネフィットがコストを上回るように、毒を産生するような遺伝子を獲得していく個体が出現するかもしれない。
 人類でも同じだ。ひょっとすると、人類も祖先の化石類人猿がそれなりの基板を整えていれば、進化の過程で初期人類も毒を備えるに至ったかもしれない。ただ鋭い犬歯も持たず、素早い逃げ足も持たない初期人類は、その代わりにやがて石器を発明したのだが。

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昨年の今日の日記:「空を飛ぶ夢を育み、飛行1歩手前まで行っていた二宮忠八(下):正当な評価を得て復権も忠八自身は航空機から身を引いていた」

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