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2021年04月14日21:26

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映画「トムとジェリー」作品レビュー(日本公開:2021年3月19日)

映画「トムとジェリー」作品レビュー(日本公開:2021年3月19日)

 「トムとジェリー」は、アメリカで1940年代から続くギャグアニメです。てっきりアニメ映画として見に行ったら、なんと実写の映画でした。今年は「トムとジェリー」の80周年にあたり、アニバーサリーとして企画されたようです。

 作品自体は「実写版」「実写アニメーション」と言われてますが、人間や風景が実写で、トムとジェリーや犬や象などの動物たちがアニメーションとして実写の世界に入りこんでるイメージです。ファンタジー要素を、CGではなくアニメーションで表現したもの。

 トムとジェリ(アニメーション)が、人間(実写)の世界にいても不自然とは思わなかったのですが、気になる点はいくつもあります。どうもトムとジェリの追いかけっこが脇に追いやられて、メインが主人公ケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)のサクセスストーリーとなってしまったことです。これでは看板に偽りありと言いたくなってしまいます。またトムとジェリが追いかけっこで、必要以上に暴れ回るのは作品のお約束ごとですが、現実のケイラの勤務先のホテルを荒らしまくった結果、ケイラがホテルからクビになりかけると、急にケンカを止めて、ケイラの復権に協力し合うのは、都合の良すぎる展開だなと思いました。そんなにケイラが二人にとって大事な存在だったのなら、はじめから見境なくホテルで暴れなかったらいいのにと思うのです。強力な敵や共通の目標のために握手して協力する展開も「トムとジェリー」の風物詩なのですが、前半の暴れ方が、やり過ぎなのではと感じたのです。。

 ケイラがトムとジェリーの仕草だけで、彼らの言いたいことを理解できることはまま許せます。でも実写の人間がアニメに話しかけるのはどうも馴染めませんでした。

 ファンタジーとしてある程度はのみこむべきなのでしょうけど、全編に渡って実写かアニメかどちらかに統一した方が作品の質は上がっただろうと思います。

 物語は、ネコのトムが、盲目のふりして公園で電子ピアノ演奏しながらチップを稼いでいるところからはじまります。そこへ、引っ越し資金を稼ぎたいネズミのジェリーが乱入しチップを横取り。トムはジェリーを捕まえようとするが、聴衆に盲目の嘘がバレてしまうのです。

 ふたりの追いかけっこは周囲にも迷惑をかけることに。自転車デリバリーを始めたばかりのケイラも巻き添えをくらって、解雇されてしまいます。その後ケイラは、ニューヨークの高級ホテルに面接に来た女性をだまし、履歴書を奪って何食わぬ顔で、その女性に成りすまし、ホテルの臨時スタッフに採用されてしまうのです。

 冒頭でジェリーが空中の高所から落ちても、またトムが車にひかれても死なない不死身ぶりなのは毎度のお約束ごと。ジェリーを追い詰めても、いつものようにトムがコテンパンにやられしまうのも相変わらずで、懐かしさを感じました。

 さて、ホテルにとってネズミは存在してはならない害虫動物です。おまけにいいようにジェリーに馬鹿にされ、頭にきたケイラはねずみ駆除の要員として猫のトムをボーイとして、上司に採用させます。ここでトムがジェリーを捕まえた方法にご注目を。大掛かりな楽しいワナでした。

 さて、ケイラがホテルに採用されたのは、ホテルで行われる著名人カップルの結婚式の運営スタッフとして。しかしトムとジェリーの大暴れで、結婚式はめちゃくちゃになるどころか、ホテルの施設も大ダメージを受けてしまいます。
 その結果、新婦は結婚式を取りやめにして破談に。ホテルの支配人のテレンスは責任を取らされて首になってしまいます。ふたりの大暴れはアニメだからこそ許されるものでしたが、実写の世界になると、罪深さが際立ってきます。 
 ケイラも同時に解雇されますが、自分の解雇ばかり気にするよりももっと責任を取らされたテレンスのことを弁解してあげてもいいのではないかと思えました。テレンスにドタバタの全責任を負わせて、自分は外野でほっとしてるケイラには少々苛つきました。でも演じているのが大好きなクロエなので、自己中でも全部許してしまうそうです(^^ゞ

 まぁそこからラストの主人公のヒロインが大活躍してドンデン返しでハッピーエンドを向かえるという展開は、ヒロインのサクセスストーリーものとしては、鉄板の展開だったといえるでしょう。なのでほかの同類の実写作品と比べれば、先の読めてしまう展開でした。

 まぁそれでもTVアニメ版と同様に猫とねずみのドタバタ・コメディとして子どもたちには楽しめるのてぜはないでしょうか。トムとジェリー以外の動物では、新郎の飼い犬ブルドッグのスパイクや、花嫁の飼い猫のおしゃれなトゥーツがいいキャラしてました。そんな多彩なキャラの登場が、子供たちには受けそうですね。

 大人だって、トムとジェリーの追いかけっこを「後片付けが大変そう」とか現実的なことは考えず、頭空っぽで笑いながら楽しみべき作品なのかもしれません。

 最後に本作で特筆すべき点として、実写とアニメの融合技術です。トムとジェリーが大暴れすると、忠実に実写の人間が反応し、そばに置かれたものたちが飛ばされたり、壁に大穴が空いてしまうのです。特に結婚式のシーンでは、余興で連れられてきたゾウやトラが暴れ出すのですが、それにともなって実写のホテルの結婚式会場が忠実にリンクして破壊されてしまうのです。あれはどうやって撮影したのか気になりました。

☆公式サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/tomandjerry-movie.jp/



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