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2021年03月04日05:55

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体臭は不快か、先史時代のヒトにはセックスアピールとして重要だった

 ようやく春めいてきた今日この頃だが、夏になると体臭が気になることがある。僕の知り合いの女性はとても臭いに敏感で、他人の体臭が気になり、電車で臭い男と乗り合わせたりすると、車両を変えるそうだ。

◎悪臭を消すのに香水、お香
 確かにたまに何週間も風呂に入っていないような男が隣に来ると、発する悪臭はたまらない。
 それもまた、文明化し過ぎたからなのかもしれない。
 例えば欧米も日本も、昔はみんな風呂にも入らなかった。近世になってから入浴が普及しても(絵=江戸時代の湯屋、当時は混浴だった)、石けんなどもなかったから、消臭効果は限定的だったかもしれない。
 それ以前、おそらくみんな悪臭を発していたはずだ。それを打ち消すのに発達したのが、西欧では香水であり、日本ではお香だった。

◎好ましく思われた? 体臭
 しかしそのずっと前の先史時代はどうだったかは、文献証拠がないので分からないが、あまり気にしなかったのではないか。つまり現代人的な悪臭を悪臭と思わなかったのだろうと思う。
 ヨーロッパ人がアフリカやオーストラリアなどで先住民と初めて出会った時(写真=19世紀半ばのタスマニア人集団)、彼らは閉口しただろうが、先住民同士は気にしている素振りは見えなかったのだから。臭いは、あくまでも主観的なものなのだ。
 いやむしろ旧石器人など、体臭を好ましくさえ思ったかも知れない。
 例えば現代人が忌み嫌う「腋臭」は、アポクリン腺から分泌される物質が汗の成分と混じって独特の臭いを作り出すのだが、旧石器人にはセックスアピールの手段になっていたかもしれない。

◎生存に有利だったから集団全体に広がる
 傍証となるのは、男女とも二次性徴と共に表れるからで、強い腋臭は男らしさを誇示し、女を引き寄せるツールになっただろう。女にとっても、男を誘引する臭いだった可能性がある。
 もしそれが生存に不利なものだったら、淘汰されて腋臭を作る個体は子孫を残せなかったはずだ。有利だったから、腋臭を発する個体は、それだけ多くの女、多くの男を誘引でき、それだけその個体は多くの子、多くの孫を残せ、結果として腋臭は集団全体に広がったのだ。

◎ヒト以外の動物では様々なコミュニケーション・サイン
 またヒト以外の動物では、臭いはかなり重要なコミュニケーションツールとなっている。縄張りを形成する動物は、尿を自分の縄張り内に残し、「立ち入るな」という標識にしている。
 またヒトと違って発情期の決まっている動物の雌は、雄に対して「交尾オーケー」のサインを性器周辺の臭いで発する。
 人間社会が文明化して、臭いでセックスアピールをする必要が無くなると、それは次第に悪臭と意識されるようになったのだ。

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昨年の今日の日記:「トランプ大統領訪印での『ポチョムキン村』策からスターリニスト中国のウイグル族強制収容所の危惧を連想」

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