mixiユーザー(id:411965)

2021年02月24日02:42

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「アメリカの警察」本

<ストーリー>
 日本人にはなかなか理解しにくいアメリカの警察組織の構造を分かりやすく語り、同時にその利便性とアメリカという国のかたちを鮮やかに描写指摘してくれる。
<コメント>
 海外ドラマやアメリカ映画を見ていると「なんで?」と思うシーンがよくある。例えばなぜ「ピケット・フェンス」で州の命令でローマの町に多量の黒人生徒が編入してくる事態に市長の命令に従って保安官は州兵と対決することになったのか?
 なぜFBIは地方警察に嫌われているのに「クリミナル・マインド」のBAUは好意的に受け入れられて唯々諾々と従うのか?
 なぜ映画「デジャブ」でデンゼル・ワシントン演じる主人公は警察ではなく、ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)の所属なのか?などなど。
 そういった疑問が「そうだったのか!」と納得させられてしまった。

 まず、日本は警察は一つ。地方警察も警視庁も公安も基本は一つの組織。それに対してアメリカの警察機構と言うのは1万8000の独立した警察機構なのだ。市町村はそれぞれ独立した警察機構で州警察や群警察は決して市町村警察の上位組織ではなく、基本的に対等なのだ。
 そして保安官は市民の直接選挙で選ばれるからこそ市長の命令には従うのだ。
 代表的な連邦組織であるFBIはエリート揃いで地方にやってきたら勝手に陣頭指揮を取ろうとするのに対してDHSの組織であるBAUはつまり専門家集団であり、地方警察にとっては手柄は自分たちのものにしてくれる専門家たちだからこそ唯々諾々と従うのだ。
 そして「デジャブ」においてはフェリーの爆破と言う大惨事を起こすほど強い火力だからこそATFが捜査の前面に立つということなのだ。

 その他のもろもろのアメリカの問題を含めてわかりやすく、そして日本では紹介されない警察関連の事情を教えてくれる。
 少なくともこれを読んだ後は映画やドラマの設定がより理解できるようになる。海外ドラマや警察映画のファンは必読である。

アメリカの警察 (ワニブックスPLUS新書)
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=411965&id=5088853
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