「ｽﾀｰﾄﾚｯｸ:ﾋﾟｶｰﾄﾞ#10 理想郷後編」配信

『ｽﾀｰﾄﾚｯｸ:ﾋﾟｶｰﾄﾞ #10 理想郷（後編）』
＜ストーリー＞
　人造人間シンスたちの暮す星に到着したピカード一行だが、タルシアのロミュラン艦隊が攻撃のために接近していた。さらにアグネスの記憶から信号を読み取ったソージの姉妹スートラは有機体絶滅のための機械生命体を呼び寄せようとしていた・・・
＜コメント＞
　ピカードの引退後の話として描かれた『新スタートレック』の続編の『スタートレック：ピカード』は“本当にこれ全10話で終わるのか？”という視聴者の疑問に対して見事に見せ場だらけの結末を準備してくれた。
　いやすごいすごい、登場人物はどれも魅力的でかつこれまでの設定を生かしつつ、壮大な陰謀を解明しながら話をまとめて見せた。
　僕は「出したものを全部使う」「伏線をきちんと回収する」というのを構成力だと思っているけれども、少なくともこの物語はそれは見事にクリアしていると思う。特に冒頭で出てきた巨大な廃棄されたボーグキューブがロミュランの実験場になっていて、ボーグを人間に戻す作業が行なわれていたのが事件に巻き込まれた結果最終話ではとんでもないことになっていたり、陰謀を解明することで善悪が逆転したりとワクワクするような展開には次の話が待ち遠しかった。
　そして最終話で遂に全ての謎が解明し、その結果宇宙の生命体の運命が一人の女性に託され、ピカードが彼女を救うというなんか、これまでは謎を解くことで物語の推進者でしかなかったピカードが遂に主人公として能動的に実力を行使して主人公の格を見せ付けるところに感動してしまった。
　ただ、その反面これほど壮大な設定なのに説明不足のいくつもの矛盾点がつい目に付いてしまったのも事実ではあるが、それでも10話で納めるためには仕方がなかったかもしれない。
　何にしてもピカード率いる宇宙のトラブルメイカーを集めたような船での第二シーズンがどういう話になるのか気にかかるところではある。