不要不急でなく走る首都高、ガラガラ。
昔々、友人と話し終えた千葉から神奈川まで帰る午前2時の如く、
夕方なのにガラガラの首都高。
早く着き過ぎた目的地も、
場所で考えたら、ごーすとたうんの様。
車道沿いのデカい寺からは線香の匂い。
何故だか昔のあるある探検隊の、
「寺で遊んでバチあたる」が脳内に流れる。
少し(いや、実は相当の)面倒臭さと緊張感をおぼえつつ、
時間潰せる場を探してたら、幸いにも本屋の2Fにルノアール。
選んだソファに沈み込む。
結構、他にも客がいる。
少し離れた卓では、
見知らぬ爺さん二人が小声で朗読みたいな打ち合わせをしている。
卓上にブレンドが置かれる。
取り出した文庫本、浅葱色の表紙に「逃避の名言集」。
何だか読み進められそうな本だ。
「特に深刻な事情があるわけではないけれど
私にはどうしても逃避が必要なのです」
ブレンド沁み込ませながら文字に目を動かす。
今の私にはまあまあ「事情」はあるけれど、
逃避出来ない合間の逃避として、
ソファに更に沈み込んで、ボーッとしてみる。
1時間後、そして明日、明後日・・・・・・
バラバラの車両が連結しているみたいに、
バラバラなタスクのパレードは続くよ。
パレードは続くよ。
非日常の中でも進めなければいけない事になっている、
日常のパレードさ。
パレードから、必要とされている。
少なくとも、今は。
ゴクリと冷めたブレンドの残りを飲み込む。
おもてへ出ると更に冷めた風。
横断歩道の向こうで、
八百屋の青果が、静かに明るく照明を浴びている。
(さて、向かうとするか)
パレードは続くよ。
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