ナーシャが唐突に言うには、
「そこには銀河の川の流れがあるからです」
そう言われるとゴンゴンザオールにも言いようがない。
何故なら彼も銀河の川の端くれだからだ。
ゴンゴンザオールは答えられた。
「シャタよ。お前は何になりたいか？」
シャタは答えて言った。「美しい女に、娘になる」
ゴンゴンザオールは問われた。
「ではナーシャよ。お前は何になりたいか？」
ナシャは答えられた。「わたしは何でもよいが、例えば太陽に例えられるような花。苦しみのものが見つめる空。そうして初めて見たような星で、その星を見つめる銀河になりたいです」
ゴンゴンザオールは驚き聞いた。
では君は人ではなくて空へと、
希望とそれを見出したのかと。
シャタは人として降りられるとき、
ナシャが希望に沿って宇宙の散り散りになってゆくのを見た。
そうしてシャタは涙ながらに、
赤ん坊として生まれたのである。
これがゴンゴンザオールの娘姉妹のお話である。
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