2020年9月26日劇場鑑賞
ソビエト連邦の首都モスクワでの接待、美味そうな飯&美女、アヘンによるパーティは、とても魅力的で骨抜きにされる記者が続出したのも頷ける完成度でした。
物語は、第一次世界大戦後の大恐慌の最中、好景気に沸くソビエト連邦の秘密を暴く社会派実録物です。
寒い国で実際に行われた苛烈な収奪と繁栄を淡々と描いており、ウクライナの人民が一粒の麦、一欠けらのパンやオレンジの皮を奪い合い、死んだ兄弟や道端に行き倒れた死体、その死体の傍らで泣く赤子まで食べ、それすら無いと樹皮まで食べるという極限の飢餓を体感できる一方、モスクワでの豪華な暮らしもたっぷりと尺を割いて観られる良いバランスな映画だと感じました。
この映画、後の歴史を知る未来人としては主人公の正しさ、ソビエト連邦の崩壊を知っていることから、当時の世論(ソ連は良いところ)がソ連による情報操作で巧みに操られていたこと、NYタイムズの記者等モスクワに来た記者をモスクワから出さず、ホテルも指定、夜毎パーティ三昧、かつ盗聴や監視、従わない記者を強盗に見せかけて殺す等、徹底した情報管理をしていたことが描かれています。
そして、一部の西側世界の権力者は薄々ソビエト連邦のヤバさに気づきつつ、自国の経済再建のために手を組むしかないと、高度な政治的判断により世論操作に手を貸していたようにも見える描かれ方をしているのが、この映画の巧みなところだと考えます。
もうちょっと、盛り上がりがあっても良かったように思いましたが、とても骨太な映画でした、お勧めです。
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