19日水曜日に訪れた美女平は標高1000m前後の台地で、中部山岳国立公園エリアの景勝地です。
https://www.google.com/maps/@36.5832969,137.4613257,17z
樹齢1000年を超える立山杉や樹齢200〜300年の橅(ブナ)の原生林が生い茂り、大瑠璃(オオルリ)・赤啄木鳥(アカゲラ)・黄鶲(キビタキ)等の80種類以上の野鳥が観察されるバードウォッチングのスポットとしても有名です。
美女平駅前には地名の由来となった美女杉が聳えます。
この杉に関しては以下の様な伝説が伝わります。
立山を開山した佐伯有頼(サエイノアリヨリ)の許婚者の美しい姫が、有頼に逢いたい一心で立山に登って来た際、有頼は山を開く事業が終わるまでは帰る事は出来ないと言って、追い返してしまいました。姫は止む無く下山する途中、一本の杉に「美しき 御山の杉よ 心あらば わがひそかなる 祈りききしや」と祈りましたが、後にその願いが成就して二人は結ばれました。その結果、この杉は「美女杉」と呼ばれる様になり、この歌を三度唄えて祈れば男女を問わず、恋が成就すると信仰され事となったのです。
しかし、実は美女杉には別の伝説も伝わっています。
これは、女人禁制だった立山に美しい尼僧が禁を犯して入山したためたため、山の神の怒りに触れて杉にされたとする話です。
まあ、結局のところ、客寄せに有用な伝説の方が重宝されてるって事ですわね。
美女平駅前には標高980mの美女平園地があり、ここで昼食のパンを食べました。
佐伯有頼(676?〜759?)による立山開山伝説が紹介されています。
有頼は『立山開山縁起』に登場する人物で、越中守佐伯有若の息子とされ、霊示を受けて神仏習合の一大霊場である立山を開山、出家して慈興と号したと伝えられます。
ここには巨大な出迎え杉が聳えます。
樹高28m・幹回り484cmに達します。
立山参道石塔並びに石仏群〔富山県指定有形民俗文化財〕の第十七番観音もあります。京都の六波羅蜜寺から分霊された物です。
別の石仏もありました。
さて、美女平ハイキングに出発しましょう。美女平の駅員から「今年はコロナ騒ぎで歩く人が少なくて道が荒れています。熊も出ます」と言われていましたが…。
最短の内廻りコースを進みます。
予想外にアップダウンの多い険しい道でしたが、やがて不老樹に辿り着きました。
地上4m付近で四分岐する合体木に見えますが、根元に古株の痕跡があり、低い位置の古株に着生した古株更新による分岐杉です。
二本の幹が互いに癒着して窓が明く洞杉の様な珍しい形状も生じています。
続いて「おんば杉」が現われます。樹高22m・幹周り691cmです。
この後はバス道へ出て美女平駅へ戻りました。
《続く》
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