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2020年06月22日07:42

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日常に入り込む

『今から80年前にも、新聞や雑誌には「日常」や「生活」があふれていました。家庭菜園の野菜を使う季節ごとの「漬けもの歴」や、古くなった着物の再利用でふすまを飾るなど今では「ていねいな暮らし」とでも呼ばれそうな記事が競って掲載されています。

記事の一つひとつに軍事色は感じにくい。しかし、目的は「日常」レベルで「戦時体制を作る」こと。そのために昭和15年(1940年)に発足した大政翼賛会が説いたのが「新生活体制」でした。
節約や工夫そのものは政治的に批判しにくい。しかしそれは生活という基盤から、社会統制に人々を誘導してしまう政治的役割を果たしました。

ホームセンターの家庭菜園コーナーが人気になり、東京都が断捨離の動画を配信する。政治やメディアは、日常の作り替えによる行動変容を説く。その姿に違和感を抱きました。
今、日本の新型コロナによる死亡率が、欧米と比べて低いことまで「日本人の行動様式」や「日本文化」に帰結させる言説があります。「生活」や「日常」は「日本スゴイ」的な精神論・文化論に姿を変えつつある。東アジア圏にはもっと死亡率が低い国もあるのに、です。

生活という個人の領域に、不用意に公権力が介入してくることを「おかしい」と思うのは、民主主義の基本です。
「おかしい」と正しく言葉にするためにも、戦時下の「生活」や「日常」の歴史を学ぶ必要があると思います。』

「民主主義の基本です」と言われれば、襟を正さずにいられない。「ていねいな暮らし」の呼びかけに対して、どのように「おかしい」と発信していくか。難しいが、心がけるべきこと。
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