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2020年06月19日17:20

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MAY 3(作成中)

「あたし人の世話になるのは嫌いなんだ。別に入れてくれなくていいからさ、ほっといてくれるかな」
と紙に書いて渡してきた。「こんなん、口で言えや」と言うとムッとして睨み返してきた。「入るところが決まってるかどうか聞いただけじゃん」
夏の林間学校での野外活動での班分けをしていた。昼の飯盒炊さんをしたり、キャンプファイアの出し物をやったりする。「腹立つ。バーカ」と書いてバンと机にたたきつける。その音に自分でびっくりして固まっていた。
周りの子も何事かとみている。いつも大人しくしているのが、そんな動きをしているのを少し意外そうにしていた。メイ、まずったな、なるべく目立たないように頑張ってきたのにな。

「あたし行きたくないなあ」
よく言うのだが、本当にサボったことはない。遅刻は多いけれども。
「こんどの研修なー、なんで着替えに私服持って行かんとダメなの?なんで体操服じゃダメなん?」
「…無かったら別に持って行かんでもええんちゃう。俺も適当にTシャツ入れて行くし」
「だって、みんな持ってくるんでしょ。おしゃれして見せびらかすんでしょ。あたし持って行く服なんかないよ」「女の子めんどくさいんだな」「ほんまそう!あー男になりたい!」「おお、そうする?男子班に入る?」「…できるかい、あーでも女はいやだなー、男になれたらなあ」
「服のことだったら、ほら、カナコさんとかに聞けば?あの子だったら聞けるんじゃない」「言えないよー」「なんで」いやいやおかしいだろう。「恥ずかしいから。そんなん聞くことじゃないんじゃない?」「えー」「もういいんだよ、、なんとかするよ、どうにかするから、ごめんないらんこと言うて」
「もうカナコさんが来るから。じゃあな」「おう、またな〜」自転車置き場から出ていった。

「なあ、あんた親切で話をしてくれてるの?」
「ん?なんで?」「本当は来たくないのに、あたしのために合わしてくれてるの?」「いや別になんも、親切とかしてないよ、何?なんか言われた?」「そうだったらほっといてくれたらいいからね。親切にされるくらいなら一人のほうがマシだから」「いや、だから、あんたが来るから話くらいするよ、自分は何もしてないて。」「仕方なく?だよね」「いやいや、来たくて来てる、、いや、来たくては変か、とにかく気にせんでいいから」「だってあたしといてもなんの得にもならんでしょ?…他の子から変なこと言われたりとか、さ、めんどくさいでしょ」「うーん、確かに今、ごちゃごちゃ言われてめんどくさい。もうなんなん」「でも、あたし何にもしないからね。親切になんかしてあげないし、ごめんなさいとかありがとうとか、言う気ないから」「それは普通に言って。礼儀として」「やだ。だから、あんたにも好き勝手にして欲しいのよ、何もしないで、ほっといて」「めんどくさい」「なんにもしなくていいんよ」

林間学校の日。日中の様子は見ていないが、夕方売店近くで白いTシャツと制服のスカートでウロウロしているのを見かけた。こちらに気が付いているだろうに、ツーンと無視していく。でもこれはいつものこと。
近くのカナコさんのグループに続いて去っていった。よかった。クラスが離れても一緒に行動する子がいるようで安心した。
でも部屋はクラス別なんだよな、大丈夫かな。自分にはどうすることもできんしな。女子のグループの後ろで誰にも相手にされず立っている様子しか思い浮かばない。
まあいっか、知らんし。変に構ってもウザがられるだけだし。クラスの中ではあからさまに避けられてるしな、まあがんばれ。自力でどうにかしてくれ。

その時のことを聞けたのは三ヶ月後で、「どうだった大丈夫だった?」と聞くと、半笑いで「何が」と返されて、それで話が終わった。
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