ごめんね

ふと、普段あまりみないテレビをつけたら映画をやっていた。
古い映画「グリース」。

その昔、もう４０年近くになるのかな、娘たち二人連れて観に行った映画。
ジョントラボルタとオリビア　ニュートン　ジョン
ご存じの方も多いと思うがこの二人がホリデー中の海で出会い恋に陥るよくあるケース。
休暇が終わり高校も新学期。
そこでこの二人がばったり。
喜びも束の間、いろいろ上手くいかない。
なんと言っても一人は不良男子。
それに対して彼女はお利口さん女子。
それが適度なスピード感と歌の数々で軽快に進んでいく。

笑っちゃうかもしれないけど、思わず終わりまで見てしまった。
そして楽しめた。
軽快で単純なのが良い。
なんといっても歌が５０年代のもの中心で、私自身がティーンズだった頃のものばかり。
驚いたことに館内は子供たちが多かったこと。
親同伴で子供とその友達たちときている。
へえー、これって子供用の映画なの？
そして一緒に歌ったりしているのだ。
日本だったらきっと若者たちの映画だとおもう。

それはさておき、問題が起きた。
今ではちょっと甘酸っぱいと言うよりも苦い思い出。

次女はすっかりこの映画に魅了された。
グリースの歌が全部入っているレコードを買ってやったら喜んでくれた。
以来毎日このレコード、小学校から帰ってくるとすぐにこのレコード。
両面聴き終わるとまた最初からだ。
私も好きなのだから楽しんでいた、最初は。
週末になると一日中これ。
どのくらい続いたのかなあ。
１ヶ月？もっと？
やがて時々にしてと言うようになった。
が次女は何度も何度も聴きたいようだ。
もう記憶にないがある日突然キレた私は、回転しているレコードをつかんで床に投げつけ踏みつけ割ってしまったのだ。
次女はショックを受けていたが怒り心頭に達していた私は怒りまくるだけだった。
思い返すとあの時次女はなんとも悲しそうだった。
が、なにも言わなかった。

次女は１０才くらいだったと思う。
彼女が音楽に夢中になるきっかけだっただろうレコードを壊してしまった。
酷いことをしてしまった。

ごめんね。
昨日観たグリース、あんたも楽しんでくれたらなと思いつつ観たよ。
でも、ごめんね。