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2020年04月18日23:50

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新型コロナウイルス関連の営業自粛と補償について・・・茨城県猿島郡境町の事例を中心に

 コロナウイルスの蔓延が止まりません。新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発令され,多くの商店が営業自粛を要請されています。これは疫病の鎮圧に絶対必要なことであり,市民として当然協力すべきであると考えますが「休業に伴い発生する損失の補償が必要ではないか」と数多く指摘されているところです。東京都は実際に休業要請に応じた業者に50万円(複数店舗ある業者には100万円)の補償(感染拡大防止協力金)を行う方針ですが,大阪府や神奈川県では「財政的に厳しい」と当初消極的でした。現在は神奈川県で30万円,大阪府は東京都と同程度の補償を行う予定のようです。しかし国は今もなお補償には消極的なままです。

 そんな中「茨城県猿島郡境町は町内の飲食店に営業自粛を要請し,10万円の補償を行う」という注目すべき報道を目に致しました。茨城県においてはパチンコ店や映画館等への営業自粛要請と休業補償10万円(施設賃借の場合には30万円)の休業補償を決めていますが,飲食店については「飲食のために首都圏から県内に人がなだれ込む事態は想定しにくい」(大井川和彦知事)として接待を伴うスナック等を別にして営業自粛要請・休業補償の対象外とされています。しかし実際には自家用車を使えば首都圏から茨城県に来訪することは簡単であり,まして境町のように県境の自治体(千葉県野田市に隣接,埼玉県幸手市に至近)であれば尚更のことです。そもそも地域住民が感染していた場合,首都圏からのお客が来なくても飲食店が感染源になってしまう可能性は否定できません。そういう意味で県の対策で本当に大丈夫か不安が残りますし,飲食店にまで自粛要請を行う境町の姿勢は万全を期するためには実に頼もしいものと思われます。同町では上記の休業補償とは別に高校生以下の子供1人につき5,000円の給付金(保護者に支給)も決めており,住民の安全を守ろうという強い意志が感じられますね。
 その境町ですが,国が消極的な休業補償に乗り出すのだからよほど大規模で裕福な自治体なのかといえば,そういうことはありません。境町の人口は2.5万人ほどであり,たしかに「ふるさと納税」において全国的に注目されるほどの大成功を収めていることもあって近年積極的な財政運営を行っている(平成30年度の一般会計予算111億円,令和元年度の予算126億円)とはいえ町税収入は35億円程度であり,小規模な自治体というのが適切な評価でしょう。一体どこから休業補償(所要額約1,000万円)と子供給付金(所要額約2,000万円)の予算を捻出するのか・・・と疑問に思っていたところ,8月に予定されていた花火大会を中止し,自動運転バス実用化に向けた実験を先延ばしすることで対応するということを町が打ち出しました。どちらも町にとっては重要なプロジェクトであり,特に前者は近隣市町村を含めた多くの人々が毎年楽しみにしている大イベントですが,それを補償金に振り向けるというのは勇気ある,そして実に優れた決断だと感じます。
町ホームページによると4月13日現在,同町内92の飲食店のうち87店が要請に応じ,残りの5店も営業時間短縮を行うということです。またこの要請に含まれていなかったチェーン店も休業に歩調を合わせることを決定したということです。

 境町が小規模な自治体だからこそ,こうした取り組みが上手く行くという面は勿論あるでしょう。しかし決して富裕とはいえない筈の自治体がこうして営業自粛要請に伴う補償を行っている中,国が「出来ない」というのはあまりにも不自然な対応ではないでしょうか。国が本当に補償の手筈を思いつかないならば,財源豊かな東京都は別にしても他の府県や境町に官僚を派遣し,補償のための手法について指導を受ければ良いのではないか・・・そのようなことを僕は考えております。




【茨城新聞】《新型コロナ》境町 飲食店に休業要請 補償金、一律10万円
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15866051851499
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