2020年3月8日(劇場鑑賞)
シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーという破壊力抜群の美女3人を一度に観られる素晴らしい映画であり、C・セロンの男気により何とか映画化に漕ぎ着けたけど劇中語られるアメリカ企業最重要の掟「ボスを訴えない。」に反している反社会的な映画でもあります。
物語は、米国で一番成功したケーブルテレビ局であるFOXニュースの最高経営責任者(以下、エロ親父)による「出世したければ口を使え!」「テレビは視聴メディアだ、女は脚を魅せろ!」等テレビ業界における金言の数々をどのように実践したか描かれている問題作です。
まず、M・ロビーとその同僚のレズビアン民主党員は良かったです。
特にレズ民主党員がM・ロビーを口説いて家に連れ込むまでの美しい流れは一人の男として学ぶところが多かったですし、M・ロビーがレイプされたことを告白する相手が同じ女性でもレズ民主党員というところがこの脚本上手いなと思いました。
日本的にもアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したカズ・ヒロによるC・セロンのメイクの凄さ、姉妹だろう位に実在感を示していました。
エロ親父のセクハラ描写は、M・ロビーにスカートを上げさせパンツ(白)を見るシーンや、直接的な画では見せないですがM・ロビーの告白によるレイプ描写(服を着たままヤラレタ…自分は不潔であると涙ながらに訴える。)に興奮しました。「忠誠心」という言葉のなんと卑猥なことか、表面上の言葉の意味と裏の意味を巧みに見せる良い演出でした。
しかし、本作の白眉はエレベーターでC・セロン、N・キッドマン、M・ロビーの三人が一緒に映るシーンです。
画面真ん中N・キッドマンは自信満々な顔をしています。それは、クビを言い渡されることを予見しており、自分の仕掛けた訴訟準備が整うことを意味するからです。※社員が会社を訴えられない「強制仲裁条項」なる契約があるようです。
画面左側C・セロンは怪訝な顔をして横の二人を観察しています。それは、社内の噂(現在進行形で起きているセクハラ)とただならぬ雰囲気の二人に自分の勘が働いたといった感じです。
画面右側M・ロビーは今にも泣きそうな顔をしています。それは彼女にこれから起きることを予感させるもので、とても良い演技だと思いました。※ハーレー・クイーンやウルフオブウォールストリートで悪女役も出来ると知っていて観るので尚興奮します。
この映画観てフェアだなと思ったのは、女性が画一的に描かれていないところです。
セクハラやレイプは犯罪という点は守りつつ、エロ親父は女性を出世させる良い奴だと女性に言わせたり、スカートの丈を短くしたり背が高く見えるような厚底ヒール靴を履いたり胸に詰め物をして大きく見せようとする女性司会者たちを映したりします。
N・キッドマンもM・ロビーがエロ親父の部屋に入っていくところを見送りながら、エロ親父の秘書に「お盛んね☆」みたいなこと言って去っていくところを映すのは、彼女の動機が必ずしも正義だけでないところを描いているように見えました。
C・セロンもエロ親父にセクハラ取引によりFOXに就職したらしいのですが、自分を評価してくれた良い上司であり、病気した社員をクビにせず給与払い続ける良い経営者と語るシーンがあります。
そんな彼女が内部調査の席で自分の匿名Wを見て、自分以外に最低23人は被害者がいると知るシーンは心境の変化を描く良い場面でした。
社会悪を描くという意味、映画と言う映像で後世に記録として残る意味を考えると歴史に残る作品になるのではないかと考えます。
ぜひ、今劇場で観るのがお勧めです。
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