mixiユーザー(id:492091)

2020年02月25日11:36

274 view

映画『ミッドサマー』は見ないほうがいいですよ!

映画『ミッドサマー』を見てきました。(2020年2月21日公開)
https://www.phantom-film.com/midsommar/

 本作は、2019年公開のアメリカ合衆国・スウェーデン合作のホラー映画。監督はアリ・アスター、主演はフローレンス・ピュー。原題はスウェーデン語で夏至祭(ミィドソンマル)を意味するということで、チラシの写真のイメージの良さだけでまたまたよく調べもせずに見てしまいました(T^T)。スウェーデンでは、夏至祭のとき、花冠をかぶる習慣があるそうです。
 でも作品の方は、ある意味、居眠りしていた方が正解の、いや〜な気分になってくる怖いカルト映画だったのでした。恐怖の歴史を覆す、暗闇とは真逆の明るい祝祭と観る者を魅惑する極彩色の映像美にすっかり騙されましたなぁ(^^ゞ
 なので、これは安易に見にいってはいけないよという逆のお勧めのレビューなのです。

 物語は、ある年の夏、自らの精神疾患と家族を失ったトラウマに苦しみ続ける大学生のダニーが恋人のクリスチャンから、友人のパーティにいかないかと誘われるところから始まります。もともとダニーは、ずっと精神的な疾患を抱えていました。そしてある冬の日、同じく精神疾患だった妹が両親を巻き添えに無理心中してしまったのでした。そんなダニーを、恋人のクリスチャンは内心重荷に感じながらも、別れを切り出せずにいたのです。パーティへの誘いは、別れ話を切り出すためのものだったのかもしれません。

 ダニーは、誘われるままにパーティに行くことにします。行ってみるとクリスチャンの友人のマークやジョシュと一緒に、同じく友人であるスウェーデンからの留学生・ペレが故郷の田舎町ホルガを訪れる予定であることを知らされました。そしてペレから「自分の一族の故郷で、今年夏至祭が開催される。夏至祭は90年に1度しか開催されないので、見に来てはどうか」と誘われたのでした。文化人類学を専攻するクリスチャンは、学問的関心もあってホルガ行きを決めたのでした。ペレから誘われた面々は、美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えたでした。 
 ホルガを訪れたダニー一行は、予想したとおりの幻想的な風景と親切な村人に初めは魅了されます。
 ところが、夏至祭はただの祝祭ではなく、ペイガニズム(自然崇拝や多神教の信仰)の祭りであったのです。次第に不穏な空気が漂い始め、そうとは知らずに参加したダニーたちの心はかき乱されていくことに。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりでした。
 
 ボルガ到着した当初から、自殺未遂でケガを負った村民の頭部をハンマーで潰したりなど、顔を背けるシーンが続々登場しました。単なる怖さだけでなく、カルト特有の想像を超える奇習が続くので、描かれていることに対して感情移入を拒否したくなくなるようないや〜な感覚に包まれました。

 そんな中、心を煩っているダニーは、自分と同じ異常な村民たちにどんどん同化していって、最後には村の女王に祭り上げられる存在となってしまいます。その究極が、ラストシーンのダニーが微笑むことなんだろうと思います。この微笑むシーンについては様々な解釈がなされているようですが、Wikiによれば、アスター監督は「ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」と脚本に書き付けているそうです。
 この監督の言葉こそ、本作の本質を言い得て妙であると思いました。

 それに比べて、クリスチャンは最後の方までクールで、村民の狂気とは一線を置いて、観察に徹していました。けれども夏至祭が進み、犠牲者や生贄まで登場するカルト映画につきものの展開をなかで、なんで身の危険を感じてトンズラしようとしないのか疑問に思いました。やっばりカルト映画で犠牲になる登場人物たちは、逃げない設定となっているものなのでしょうか。
 ただクリスチャンとしては、恋人のダニーを置いて一人では帰れないという事情もあったのだろうと思います。また、村民リーダーの直感によるご指名で、クリスチャンは村民のなかの若い女性と子作りセックスをするお楽しみがついたことも大きかった思います。 全裸の婦人の村民が見守る中で、一糸まとわず若い女性とことを交えるシーンはなかなかエロかったです。
 けれども、その自分の恋人が他の女性とセックスしているところを見てしまったダニーは発狂してしまいます。嫉妬のため怒り心頭のダニーが最後に見せた顔が、既出の微笑みだったのです。果てたして、クリスチャンはどうなってしまったのでしょうか?(劇場でご確認ください。)
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年02月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829