メタルのゴミ箱の電動の蓋を洗った為に死なせてしまった馬鹿さ加減を悔いながら、何ヶ月もがすぎた。
ゴミ箱はひっそりと窓側に立っている。
蓋が電動で無くなったらこのゴミ箱に良いところは何もない。
何しろ古いのと比べて細いので、すぐに一杯になる。
スーパーで買ってくる黒いゴミ箱用の袋を満たす前に一杯になる。
そのゴミ袋の取り替えが難しい。
ギュウギュウに詰まっているとゴミ袋を取り出せない。
ゴミ箱を床に転がして袋を引っ張り出さなければならない。
全く忌々しい。
いや、自分の所為だけど。
ある日キッチンの掃除をしていた時のこと、何かがチカット光った様な気がした。
ゴミ箱の蓋のセンサーが光ったと思った。
手を近づけてみた。
おっ、蓋が開いた!
蘇ったのだ。
ゴミ箱は生きていた。
イエーイ!
孫娘に伝えた。
ゴミ箱がね、蘇ったのよっ!
おー、すごいじゃない。
彼女も喜んだ。
やはり使い心地が良い。
ちょうど日本の水洗トイレの蓋の様な感じ。
ウキウキする。
数日後、汚れてきた蓋や内側を拭くことにした。
蓋の後ろのスイッチを切った。
外側も内側も綺麗に拭き終わって、ゴミ箱は嬉しそうに輝いていた。
スイッチを入れた。
え?
反応しない。
洗ったわけじゃないのに。
なんで、なんで?
また死んだんだろうか、それとも眠ったのか。
数ヶ月がすぎた。
つい数日前ゴミ箱は目を覚ました。
嬉しい。
けど拭き掃除するときにスイッチを切るべきかどうか迷っている。
スイッチを切らずに拭くと、センサーが反応して蓋は開く。
う〜ん、どうしたものか。
気難しい奴め。
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