そいつはホームレスの身なりをして
朝から晩まで
毎日道端の枯れ葉を集めている
ボロボロのホウキとチリトリを持って
ただひたすらにビニールに
落ち葉を詰めて行く
毎日毎日
朝から晩まで
一心不乱に落ち葉を詰めて
街中綺麗にするのが
男の密やかな野望
そんな男も
寒い風の吹く日が続いて
風邪をひいて寝込んでしまった
いつも街を綺麗にしてくれる
小汚いホームレスの男だけど
すれ違う街の誰しもが
実は彼を心配してくれていた
とある老婆は
男が寝ているダンボールの家に
心配していつもご飯を
持ってきてくれたり
ある医者の男は
回診帰りに彼をついでに
診察して薬もくれた
男は何にも持っていない
ましてお金は1円もないのに
大切なものを
いっぱい持っていて
彼の集めた
街中の落ち葉は
まるで彼の
富の一部の
ように思えた
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