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2019年09月08日05:39

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ジンバブエ国民の苦難再び、ムナンガグワ新政権でもハイパーインフレが再燃、商店の棚から商品消え、電気も水もほぼ止まる

 いつか見た光景、である。ヴィクトリア・ホールズ観望のために短期間訪れた南部アフリカのジンバブエが、またハイパーインフレが再燃しているという(下の写真の上=ジンバブエの数少ない外貨獲得手段のヴィクトリア・フォールズ観望には欧米人がやって来る。ヴィクトリア・フォールズ空港で。下の写真の下=ヴィクトリア・フォールズ市内)。

◎ムガベを追放したムナンガグワ政権でもインフレ再燃
 かつて本日記でも何度も書いたか、ジンバブエは長く独裁者ロバート・ムガベに支配され、しかもその失政で第1次世界大戦後のドイツをも上回るウルトラスーパーインフレを起こした国だ(写真=ムガベ時代のスーパーハイパーインフレの時に発行されていたジンバブエドル紙幣)。
 現在、ウルトラスーパーインフレと言えば、やはりチャベスとマドゥロの左翼独裁政権の失政で制御しようのないインフレを起こしている南米のベネズエラを思い出させるが、その後、ジンバブエでは、軍部によってムガベが追放され、元第1副大統領のムナンガグワが大統領に就任した(17年11月25日付日記:「南部アフリカ、ジンバブエの独裁者ムガベがついに失脚;ムガベと後継者に見るアフリカ的なドロドロ」を参照)。
 ところが新任の大統領ムナンガグワ(写真)も、ムガベの轍を踏むという無能ぶりを露呈した。
 ジンバブエで再び、ハイパーインフレが再燃しているのだ。

◎政府はインフレ率の公表を止めた
 アメリカの研究者の推計によると、同国の8月の推計インフレ率は前年比595%。ムガベ時代の2008年11月の推計前年比89.7セクスティリオン%よりはまだはるかにインフレ率は低いが、それでもハイパーインフレには異ならない。
 ちなみにセクスティリオンとは、10の21乗を表す単位で、宇宙を語る場合くらいしか使われない。
 また現在のジンバブエの595%という推計をアメリカの研究者が出したのは、ジンバブエの中央銀行があまりにインフレが激しいので、インフレ率の公表をやめてしまったからだ。

◎種子も輸入できず、農作物も作付けできず
 ムガベ時代末期の経済の崩壊の後に、またもハイパーインフレで、同国の経済は混乱している。
 ムガベ時代の同国やベネズエラと同様に、多くの商店の棚に商品が無い。電気は夜に数時間、水道は週に1度、数時間流れるだけだという。
 農作物の種子を輸入する外貨も無いから、食料も生産できず、同国の特産だった葉たばこの作付けもできず、外貨も得られない。
 国連の予測では、来年初め頃にはジンバブエ人口の半数(約700万人)が1日に1食しか食べられない飢餓が訪れるという。

◎軍人は給与のドルでの支払いを要求
 このハイパーインフレを前に、同国の軍人は、自国通貨で給料を受け取ってもすぐに「蒸発」してしまうため、ドルで払え、と要求しているという。しかしそのドルは、国庫に無い。
 今1度、クーデターでムナンガグワを追放するしか、差し当たって事態を収拾する策はなさそうだ。
 かつてウガンダが日本のバンカーの服部正也氏を中央銀行に招いて、今日の発展の金融の基礎を築いたように、ジンバブエには人がいないようだから、かつての宗主国イギリスの優秀なバンカーを招いて中銀総裁になってもらうのが良いのかもしれない。

追記 ムガベ死去
 アフリカ・ジンバブエ大統領のムナンガグワは6日、「世界最悪の独裁者」と呼ばれた同国の前大統領ムガベ前大統領が死去したとツイッターで明らかにした。95歳だった。ロイター通信によると、ムガベは病気の療養先だったシンガポールで死去したという。

注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201909080000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「北海道を襲った直下型M6.7の地震と台風21号による社会インフラの麻痺が日本の国際的印象を悪くしないか懸念」

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