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2019年08月24日21:21

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今週のオークラ

 上野オークラで松岡邦彦監督04年作品「大阪のエロ奥さん 昼間からよばい」。85年、阪神の優勝に沸く大阪。ヒロインは友人とともに、阪神の選手と同姓同名の男8人とセックスするゲームに興じる。18年後、「若大将みたいな」爽やかな夫と暮らすヒロインのもとに、大阪でスナックのママになった友人から、再度のゲームの誘いが入る。夫との生活に飽き足らないものを感じていたヒロインは、阪神のマジックが2となった日、衝動的に大阪へ向かう。
 ヒロインの行動が唐突で、松岡監督と金田敬脚本のコンビとしては、新作のようなち密さに欠けた。面白いのはヒロインの名前が「真弓」で、今の姓が「原」。その他にもスナックの従業員たちは、阪神絡みの名前。スナックのオーナーは巨人ファンで、「阪神の名前にまつわる従業員たちをこき使う」ことが楽しみ。役名は「川上」。この遊びの部分が楽しい。松岡監督と金田監督は阪神ファンなのか。
 大阪に出たヒロインの目的が、星野仙一とセックスすること。冒頭に「この物語はフィクションです」と出るので、星野監督とのカラませる悪乗りがあっても良かったのでは。
 「変態怪談 し放題やり放題」は、山内大輔監督のお盆怪談映画。主人公の不動産屋が、空き家に客を案内するファーストシーン。くすんだ画面に瘴気ただよう空き家、奇妙な佇まいの客、そして幽霊に遭遇するまでの好調な滑り出し。続く主人公の家庭生活でも、妻の背後に人影が見える。憑りつかれたと分かる。
 ところが妻が男と逃げ、失意の主人公が失業し、ようやく怪しげな解体業者に再就職すると、雰囲気が変わる。主人公は社員寮で働く女性に惹きつけられる。女性は裏社会と繋がりがある社長にセックスを強要されていて、関係した主人公に社長を殺すよう頼む。
 「郵便配達は2度ベルを鳴らす」のような話になるのだが、この部分も引き込まれる。ホラー要素をすっかり忘れたとき、最後になって突如ホラー映画に収斂する。
 後で考えると、ヒロインを階段から見ている主人公は、自身が幽霊のようだし、ヒロインも廃屋の密会など不気味だ。全ては仕組まれたことと感じさせた。
 また山内ワールドとしては、社長は森羅万象さん演じる「三沢」。主人公の勤めていた不動産会社社長が「矢木澤」で、事故物件をつかまされた、の台詞が「スナックあけみ」を思わせる。「スナックスミレ」も出てくるが、「スナックあけみ」とは別。女性の生い立ちが、「ひまわりDays」のミカヨと同じなど、共通点が楽しい。山内監督が、再び面白いホラー映画を撮った。
 「風俗図鑑ヤレない男たち」は、竹洞哲也監督の新作で、ピンク映画新作2本とは久しぶりだ。
 平成最後の夜、ソープランド従業員の男2人が、後輩の家で語り合う。後輩は迷惑そうだが、2人の会話は漫才のようで楽しい。そこへ先輩の呼んだソープ嬢がやって来る。
 竹洞哲也監督の前作「平成風俗史」と話が繋がっている。そういえば前作のラストでケイチャンが声のみ出てきたが、この作品はケイチャンが男の主役で、物語を引っ張る。
 前作で印象的だった、自意識過剰のフリーターのその後が興味深い。そして前作の登場人物たちがチラリと登場するのも楽しい。辰巳ゆいさんは前作と別人の役か。ほぼ3人のやり取りで、元号が変わるまで数時間の話。劇中31年が経過した前作とはタッチが違うのだが、当方ボーカルこと小松公典さんの脚本が前作に続いて楽しめた。
 男女3人が、改元の日にそれぞれ人生の転機を迎えるラストもいい。前作同様面白い作品。
 
 
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