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2019年04月29日03:25

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萩原健一

高校時代から続いている絵描きの親友と、4月にはコーンウオールの彼女を訪ねて行くと約束していた。
長女の双子の息子は施設とフォスターケアに18歳までの期限入れられ、彼女の長女(孫娘)は私と暮らしているので、長女は一人暮らし。
毎週会っていた双子たちとは一ヶ月に一度だけ我が家で会えることになった。
そこで長女も誘って絵描きの親友を訪ねるつもりでいた。

ところがなんやかんやで日々が過ぎ、4月も終わりに近づいた先日、絵描きの親友から電話があった。

「あんた元気なん?」
「ふん、ヨボヨボじゃけど」

お互い70代半ばのいつもの会話の始まり。

例の件での説明
「去年ね、庭仕事を全然しちょらんかったから(していなかったから)庭がね荒れ放題なんよ。それでやっと最近やる気になってね、少しずつ庭仕事を始めたんよ。長女は長女でデモ参加に忙しいみたいでね。グロバルウオーミングとか環境なんちゃらとか。」

「そーなん。」

「それでね、まだしばらく行けそうにも無いんよ。」

「そーかと思うた。ところでさっきまでKちゃん(日本の妹さん)と話よったんよ。」

「Kちゃん元気?」

「ふん、あのね、元気よ。刺繍がねすごくうまくいってるんて。Sちゃんがね(妹のご主人)すごい上手いんよ、刺繍が。それを見込まれてお宮のお守りの刺繍を頼まれたりしてんて。」

「へーえ、そりゃあよかったねえ。」

「Youtubeは見よる(見ている)?」と絵描きの親友。

「ふん、見よるよ。」

「こないだショーケンが死んじゃったろう?」

「ふんふん、「前略おふくろ様」の人じゃろ?」

60年代半ばから英国ぐらしの私たち、しかも貧乏暮らしでたまにしか帰国できないので、日本の芸能界のことはさっぱり知らないで来た。
なのでYoutubeで日本のテレビや映画が見られるようになってからは、私たちは良い日本のドラマや映画を教え合ってYoutubeを楽しんでいる。

「ふん、あれよりもっとええのがあるんよ、「恋文」ちゅうんよ(というのよ)。」

「あ、そうなん、見てみるね。」

「ええよ、あれ。そいでね、あの人面白いねえ。」

「へーえ、そうなん?」

「あのね、割とはっきりゆうてんよ(言う)。石原裕次郎は歌は上手いけど演技が下手とかね。ブッシュはダメとか、ね。」

「そうなん?面白そうな人じゃね。」

「いろいろ悪いこともしちょってみたいじゃしね。でも庇ってくれるええ(良い)人がいっぱいおるんよ、瀬戸内寂静さんとかね。」

「ふ〜ん、R(絵描きの親友の次男)ちゃんみたいじゃね。」

親友に教えられた「恋文」を早速昨夜見たがなかなかよかった。



https://www.youtube.com/watch?v=-yJRBpE69LM




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