映画を見るために出かけた。
出かけて良かった。
帰りに思いがけない素敵なことがあったから。
天気は良い。
昼前に家を出た。
ジンジャーの雄猫トフィーが一緒に外に出る。
臆病だからすぐ家に戻るはず。
道路を渡ってバス停への近道を選ぶ。
小道を抜け、スーパーのキャッシュマシーンでお金を少々引き出す。
さあ、映画「グリーンブック」を観に。
久々の映画、「万引き家族」以来だな。
もっと出かけないとなぁ、昨年から引きこもりになっているもんなあ。
庭も荒れ放題。
いかんいかん。
バスで10分。
早めに着いたのでそこらへんを歩いてみる。
チャリティーショップを物色。
良いカシミアのセーターがあった。
中古にしては少し値が張るが、コンディションは良いし手触りも最高、さすがカシミア。
買った!
カーペット屋、壁紙店、肉屋、雑貨屋の他におしゃれな靴屋、薬局屋、ファッショナブルな店、スーパー、カフェ、レストラン、パッブなど並ぶ通りを見物。
映画「グリーンブック」は良かった。
心温まる映画だった。
下町で育った粗暴なイタリア人の男性と教養ある黒人ピアニストの実話。
60年代初期の話。
当時のアメリカはまだまだ差別の激しかった時代。
差別に立ち向かい反対運動をしているピアニスト。
中でも南部はひどい状態だったその南部をコンサートツアーで旅行するための運転手として雇われる粗暴なトニー。
そのトニーも典型的な黒人差別者だったのだが、、、、
二人の間の会話も面白かった。
映画館を出て、パッブで食事、ソーセージアンドマッシュはなかなかイケた。
お茶を飲んで帰ろうとした時に素敵なことは起こった。
バス停に向かってぶらぶら歩いていた。
バスが通り抜けた、そしてもう一台。
前方のバスが私の乗りたいバスと気が付いて走り始めた。
けど差がつきすぎている。
バス停はまだ先の方。
ダメだろうなと思いながらも走り続けた。
二人の娘さんが私に気が付いた。
「バスに乗るのね?」と問いかけ彼女たちも走り始めた。
二人もバスに乗るのかなと思い「そう、私はあの前方のバスに。」と答える。
「前方のバスよっ」と一人が先を走る女性に伝える。
その娘さんはドアを閉めかけたバスのドアを抑え「今おばあさんが来るから待ってください。」と声をかけた様子。
そこで気が付いた。
娘さんたちはバスに乗るために走ったのではなく、私のためにバスを止めるべく走ってくれたのだ。
娘さんたちにお礼を言いながら走ってバスに乗った。
なんだかすごく幸せだった。
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